一夜明けの会見に出席した那須川天心【写真:浜田洋平】

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都内で会見

 ボクシングのWBOアジアパシフィック(AP)バンタム級新王者・同級1位・那須川天心(帝拳)が15日、ボクサー転向後初のタイトル獲得から一夜明け、都内で会見した。前夜は東京・有明アリーナでの王座決定戦で同級2位ジェルウィン・アシロ(フィリピン)に3-0の判定勝ち(98-91×2、97-92)。帝拳ジムの本田明彦会長は来年秋、デビュー8戦目の世界挑戦を想定していることを明かした。

 那須川は前に出てこない相手に攻めあぐねるなど苦戦したが、大差の判定勝ち。試合後のリングでは、来年中に世界挑戦したい意向を明かしていた。この日の会見後、本田会長が取材に対応。世界挑戦まで「あと2試合です。来年の秋は絶対にやります。もともとはデビュー3年で10試合か8試合目くらいの予定。あと2試合を順調に勝てば、秋にはやります」と断言した。

 今年12月に米国でのスパーリング合宿を予定。来年は2月、6月に試合をこなしてから秋に挑戦するという。バンタム級の4つの世界王座はWBAに堤聖也、WBCに中谷潤人、IBFに西田凌佑、WBOに武居由樹が就き、日本人が独占。那須川はWBA3位、WBC3位、WBO12位につけ、今回の勝利で世界挑戦に一歩前進していた。

 本田会長は前夜について「いつも言っているように経験が足りません」と指摘。練習の動きはよかったそうだが、「試合で出せないのはウェート。初めての53.5キロです。下半身に力がなかった。バンタム級のリミットに慣れないといけません」と課題を挙げた。

 那須川も課題は大いに自覚。「いろんな種類の反響があった。おめでとうもあれば批判も多い」とファンの声を受け止めた。他の世界王者たちと自らを比較し、「全てのレベルを上げないと。王者はみんな怖さを持っている。自分が絶対にブレないポイントを持っている。そのポイントでしっかり勝負できるかが大事。結果論ですが、よりボクシングが好きになった。奥深い。体を動かしたい」と成長に意欲を見せた。

(THE ANSWER編集部)