9回、同点ソロを放った万波(99)と抱き合う新庄監督(撮影・中島達哉)

写真拡大

 「CSパ・ファーストS・第2戦、日本ハム3−2ロッテ」(13日、エスコンフィールド)

 日本ハムが劇的なサヨナラ勝ちで1勝1敗のタイに戻し、ファイナル進出に逆王手をかけた。

 延長十回、2死一、三塁で浅間が劇打を放った。吠えながら一塁を駆け抜けた浅間にナインが次々と駆け寄り歓喜の抱擁。新庄監督も右腕を突き上げながらフィールドに出て行った。

 第1戦に続いて、小島の前になかなかホームが遠かった。初回から3イニング連続で先頭打者が内野安打で出塁。だが、初回は松本剛が盗塁死。二回は田宮が併殺に倒れるなど、好機を生かせなかった。五回まで毎回安打だったが、二塁進塁を阻まれていた。

 七回は先頭のレイエスが四球で出塁。万波はいい当たりの右直に倒れたが、続く代打郡司も四球。ここでロッテは2番手横山にスイッチ。暴投で二、三塁とし、マルティネスの遊ゴロの間に1点をかえした。このCSで初得点した。

 先発の金村は援護のないまま、七回途中で降板した。四回まで1安打に抑える好投。だが、五回に安田に先制左越えソロを被弾。七回にも先頭の角中に左越えソロを浴びた。6回2/3を投げて被安打4。そのうち2本が本塁打だった。

 新庄監督は八回からは3番手に山崎を投入する執念の采配。山崎が3回をしっかりと無失点で終えると、九回、万波が起死回生の特大ソロを放ち、同点。新庄監督も思わずベンチ前で跳びはねてガッツポーズする一撃で、試合を振り出しに戻していた。

 試合後、新庄監督は「なんですか、このチームは感動させすぎでしょ。びっくりした。今年を象徴する勝ち方。本当に選手すごい。くぅ!」と、感激した様子で振り返り「万波くんのは飛んだ瞬間、2分ぐらいかかったように感じた。軌道がゆっくりすぎた。同点にもっていったら勢いはうちがあるから。ホームランの時、コーチのほとんどが涙ぐんで。おれはもう嘘やろって」と、笑った。