10歳男児のボール投げ、60年前より大幅低下…身長や反復横跳びは現代っ子が上

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 男の子がボールを投げる力は1964年の東京五輪の頃が強かった――。

 スポーツ庁が13日に公表した2023年度の体力・運動能力調査の結果で、初回の1964年度や30年前の10歳男女と比べて、「現代っ子」の体力低下が改めて浮き彫りになった。

 調査は6〜79歳の約5万9000人から握力や上体起こしなどのデータを集めて得点化した。今回は調査開始から60回目にあたり、同庁は、10歳男女の50メートル走や反復横跳びなどの全国平均を、64年度や93年度の記録と比較した。

 ボール投げは、特に男子の低下傾向が目立ち、64年度に30メートルを超えていた平均値は、93年度に27メートル10に下がり、今回は21メートル90まで落ち込んだ。握力と50メートル走のスコアは、男女ともに93年度の10歳がトップで、やはり近年の体力不足を示した。一方で身長や反復横跳びは今回が高かった。

 順天堂大の内藤久士教授(運動生理学)は「子どもたちの体力は、1980年代がピークとされる。現在の3世代を比べると、おじいちゃん、おばあちゃんの世代は子どもの頃、体が小さくても体力があった」と分析している。