高橋李依が選んだ1冊は?「脳のクセを把握しておけばもっと自分と付き合いやすくなる」

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 ※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2024年11月号からの転載です。

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 毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、高橋李依さん。

(取材・文=野本由起 写真=干川 修)

 先輩声優の斉藤壮馬さんから紹介されたこの本は、高橋さんが“自分らしさ”と向き合うきっかけになった一冊。

「試験前に突然掃除をしたくなるのも、災害が近づいているのに“うちは大丈夫”と思ってしまうのも、認知バイアスの働きだそう。そういう脳のクセを把握しておけば、自分自身と付き合いやすくなるはずだと思い、私も読んでみることにしました」

 高橋さんは、もともと他人の言葉に流されやすいタイプだったという。

「“李依って元気だよね”と言われれば、元気な私を演じてしまって。“私って何だろう”と自分のことがわからなくなっていた時期が長かったんです。でも、“そうか、これもバイアスか!”と思うことで、自分を俯瞰できるようになりました」

 自分と他人の境界が曖昧な人には、ぜひおすすめしたいと高橋さん。

「自分に自信がないと、他人の意見をどんどん取り入れ、さらに自分らしさを失ってしまうと思います。もっと素敵な人になろうと思うあまり、足元がふらついてしまうことも。そういう方も、この本を読めば思考のゆがみが見つかるかもしれません。気になる項目だけ拾い読みしても、効果があると思います」

 そんな高橋さんがこのたび演じるのは、ボート部で青春を燃やす高校生・高橋梨衣奈役。本人とよく似た名前のキャラクターだが……?

「そう、偶然にも名前が似ていたんです。しかも、出身地もやりたいことがはっきりしているのも私と同じ。“高橋という名で生きてきた説得力は私が一番出せるはず!”と気合を入れてオーディションに臨みました」

 これまでにもドラマや映画化された作品だが、劇場アニメ化は初。

「原作から時代設定を変更し、今を生きる女の子たちを描いています。中高生の頃って、見えている世界が狭いですよね。クラスで少しうまくいかないことがあると、それだけで世界の終わりのように絶望して。雨宮天ちゃん演じる悦ネエ(村上悦子)の胸の痛みもとってもリアルで、あの頃の気持ちを思い出させてくれます。ご覧になった方々が誰に共感するのか、皆さんの感想が楽しみです」

 3DCGを用いた独特の映像表現も見どころだ。

「ボートを漕ぐ時の動き、海のキラキラ感、瞳が語る情報量は3DCGならでは。手描きの2Dアニメを観るように違和感なく楽しめますが、この演出は3DCGでしかできません。ぜひご覧ください」

ヘアメイク:Yuu.(Leading) スタイリング:網野正和