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『007 スカイフォール』(2012)『007 スペクター』(2015)の名匠サム・メンデス監督は、今後シリーズに復帰することに消極的らしい。スーパーヒーロー映画を皮肉るコメディドラマ「ザ・フランチャイズ」を手がけた今、自らのフランチャイズ経験を語った。

米にて、『007』シリーズへのカムバックについて「絶対にないとは言いませんが、疑わしいですね」と話したメンデス。「人生のタイミングとして、あの頃は(『007』が)とても良かったんです。古い習慣から抜け出せた気がしたし、もっと大きなスケールで考えるようになり、脳の違う部分を使うようになって、たくさんのエネルギーが必要でした」と回想し、当時から約10年が経った今では事情が異なることを示唆した。

メンデスが手がけた『スカイフォール』と『スペクター』は、ダニエル・クレイグがを演じたシリーズの3作目・4作目にあたる。世界的人気を誇り、長い歴史をもつフランチャイズに参加することの難しさを実感したようだ。

「監督は企画の発起人であることや、なにかをゼロから始めることに慣れているけれど、(フランチャイズには)過去に同じ役を2度演じていて、監督よりも役柄をよく知る役者や、その世界を深く知っている人々がいる。そのなかに入っていき、頑張って追いつかなければいけないんです。監督として身を置くには奇妙な場所ですよ。」

また、『007』以前のメンデスは、現代アメリカの家族が抱える孤独や不全感をシニカルに描いた『アメリカン・ビューティー』(1999)や、理想と現実の狭間で苦悩する夫婦を描いた『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』(2008)といったヒューマンドラマを主に手がけており、アクション映画のCGにさほど縁がなかった。カメラでの実物撮影に慣れていたメンデスは、グリーンスクリーンでの撮影を苦手に感じていたという。

「(ジェームズ・)ボンドはまだ現実世界が舞台だから、グリーンスクリーンの撮影は3~4日くらいでしたが、それでも3~4ヶ月のように感じました。あの環境は扱いにくく、息苦しいのです。反応するものが何もなくて、現実世界に立っていないように感じます。」

現在メンデスは、企業が主導するシネマティック・ユニバースの台頭により、映画監督たちが各プロジェクトを遂行するためだけに雇われていた、昔のハリウッドのような状況に業界全体が逆戻りすることも懸念している。「彼ら(スタジオ)は大きな実績のある人を求めていません。キャリアが浅く、その経験を踏み台にするような、スタジオがコントロールしやすい、より柔軟な人材を求めているんです」。

『007』シリーズを離れて以降、メンデスは第一次世界大戦を描いた『1917 命をかけた伝令』(2019)や、1980年代初頭の英国で映画館に集まる人々を描いた『エンパイア・オブ・ライト』(2022)などを監督し、大作映画やシリーズから少し距離を置いている。最新作「ザ・フランチャイズ」は、自ら原案・脚本・監督を務めた異色の業界コメディで、標的はスーパーヒーローに限らず「大作映画」全般。出演者たちは「たくさんの真実」が描かれている」とが……?

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