写真はイメージです。(以下同じ)
先日X(旧Twitter)で、長年不妊治療をしていた40歳の女性が出産したというポストが注目を集めました。

ついに無事出産できたことへのお祝いメッセージがあいつぐ中、とあるアカウントが上記のポストを引用する形で投稿した「初産40代なんて普通じゃない」との投稿が大炎上。“40歳で初産”というテーマでさまざまな議論が繰り広げられていました。

◆「親の介護がチラつくのはかわいそう」などの苦言に反論多数

発端となった女性は40歳で、夫は52歳。夫婦は長年不妊治療に取り組んでいたことをXで綴っており、無事に出産できた報告にフォロワーからは祝福コメントが寄せられていました。

そんな中で「20歳のときに父親72歳はありえない」、「初産40代は異常」、「小さいときから親の介護がチラつくのはかわいそう」として、親が高齢で子どもを授かることに苦言を呈するポスト(当該アカウントは現在削除済み)が話題に。

この投稿に対して「いまどき40代初産は珍しくないのでは?」、「子どもが20歳でも60代、70代はまだまだ元気で介護は必要ないケースが多い」といった反論が殺到していました。

実際に40代で初産を経験した女性ユーザーからは、「将来子どもの世話にならないように貯金してるよ」、「お金も心も余裕のある40代で産んでよかった」といった意見が。

また母親が40代のときに生まれた子ども側のユーザーからは「親の年齢を言うだけでかわいそうって思われるのが腹立つ」、「経済的にも余裕のある親から育ててもらって幸せにしてもらったけど?」といったリアルな体験談もありました。

◆「女は若いうちに産まないといけない」という押し付け

高齢出産は一般的に初産婦で35歳以上、経産婦で40歳以上と言われ、医学的に見ると、出産年齢が上がるほど妊娠の可能性の低下や赤ちゃんの染色体異常のリスクの上昇があるのは、たしかに事実です。

今回のポストでも「40代初産は増えているけど、それをよしとするのも違うと思う」、「体力的にも若いうちに産んだほうがいい」といった意見もありました。

当たり前のことですが、子どもを持つ年齢は、自分で好きにコントロールできるものではありません。たとえ若くして子どもを持ちたくても、仕事との両立や子育て体制の問題から多くの女性にとってはハードルが高くなります。

そもそも出会いや結婚さえ難しくなっている現状もありますし、いざ結婚をして妊活をしてもなかなか授かることができず、不妊治療を続けている夫婦もたくさんいるのが現状です。

20歳前後で子どもを授かっても経済的な理由から子どもに不自由させてしまったり、人生経験の少なさや未熟さゆえに余裕のない子育て生活になってしまったり。いちがいに「若いときに産めば正解」とはならないのは明白です。

それにも関わらず、今も昔も変わらず女性たちに押し付けられる「女は若いうちに産まないといけない」というメッセージは、もはや何の意味も持たないでしょう。

◆親が健康であり、経済力があれば年齢は関係ないのでは

ただ親が高齢であることのリスクとしては、体力のある子育てを乗り切れるのか、定年退職が迫る中で子どもの学費をまかなえるのか、子どもが若いうちから親の介護を担うかもしれないといった点が挙げられます。

しかし体力も経済力でカバーできれば問題ないでしょうし、教育費や老後資金を貯金できていれば問題ないはず。お金がかかる不妊治療に取り組むほどキャリア形成している40代であれば、なおさら「余計なお世話」となるのではないでしょうか。

また「子どもが若いうちから親の介護を担うかもしれない」という懸念は、介護が必要になれば施設や外注の手段もあるのに、無意識のうちに「親の介護は子どもがすべき」という考えを押し付けているといえるでしょう。