最新の形態は”座りんぼ”…歌舞伎町最奥の立ちんぼエリアが拡大中…大久保公園最新ルポ

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いまだ衰えを知らない、歌舞伎町・大久保公園の“立ちんぼ”。ホストクラブやメンズコンカフェ・メンズ地下アイドルなどに支払う金銭を稼ぐべく、毎日100人ほどの女性たちが熱帯夜の歌舞伎町にたむろしている。実際に立ちんぼをしているシオリ(仮名・19)が内情を明かす。

「その場で客をとるから、風俗店と違って客からの支払いから中抜きされることもなく、パパ活のようにSNSでのやりとりなどで関係性を築く面倒もない。相場は大久保公園だと1〜1.5万円くらい。2万円を提示すると客のほうから値下げしてきます。大衆店のソープだと中抜きされて手元に入ってくるのは1時間で1万円くらいだから、ハイリスクだけどタイムパフォーマンスの面で最強なんですよね。客を選べるし、勤務時間も店のルールも気にしなくていいし。

立ちんぼしながらパパ活アプリと同時並行してる子が多いと思います。アプリだと3万円、交際クラブだと5万円からが相場。そっちだけやればいいじゃんって思うかもしれないけど、立ちんぼのほうが客がとれるからその2つはサブでやるくらいがちょうどいいんです」

とはいえ、最近は客付きが悪いのか、立ちんぼならぬ「座りんぼ」をよく見かける。

立ちんぼ同士の“界隈化”

「前までは、それぞれ気まずそうに立っていた女の子同士が座り込んで雑談してたり、あと普通にお客さんと路上で飲んでたりもします。“立ちんぼ”なのに稼げなくて、もはや座ってます(笑)。以前は回転が早かったから、息つく暇もなく路上とホテルを行き来してたけど、回転が悪くなったことと女の子たちの定位置が決まってきたことでいつも近くにいる子同士で話したり、コミュニティが生まれ“界隈化”してきています。最近は見物人が増えた印象かな。何をするでもなく、1時間くらい女の子をジロジロみながら歩いてる男がたくさんいますよ」(同前)

大久保公園の周辺で若い女子が数人地べたに直接座り、スマホをいじる様はまるで路上版“ちょんの間”。公共の道路であることを忘れさせる異様な光景が広がっている。相変わらず夕方6時を過ぎると、大久保公園を背に囲むように女性たちがズラリと並ぶなか、昨年末頃から新たな立ちんぼゾーンが誕生した。ホス狂いのミカ(仮名・21)いわく、新エリアに立つことも増えたという。

「昨年から警察による摘発が相次いだので、大久保公園だけでなく、大久保公園に続く裏路地に逃げています。職安通り側の奥、大久保公園へ続くひっそりとした路地沿いの雑居ビルはデリヘルの待機所となっていて、歌舞伎町の中でも一層仄暗い。大久保公園周辺は、マッサージ店に歌舞伎町民御用達の食堂、夜パフェの人気店など賑わっているので、警官の巡回が来るときはそちらに避難する人も多いです」

雑居ビルや個人が営む食堂などが立ち並ぶひっそりとした路地を抜けた先は、寂れたホテル街だ。大久保公園よりもさらにディープなこの通りにも立ちんぼがならび、時にビルの隙間に挟まるように座っている女性がいる。摘発が相次ぎ、日々巡回を重ねる警察官から逃げる環境でも立ちんぼがいなくなる兆しはない。

ホストが客に立ちんぼを強要できなくなったワケ

「最近はホストが女の子に立ちんぼを強要する文章を送ると、ホストの所属店が摘発されるきっかけになるので、貢がせる側も慎重になっています。ホストに厄介だと思われたくないから、立ちんぼしてることを隠してる女の子も結構いますね。

ただ、ホストに注意喚起しても、暗黙の了解で成り立ってしまうのが厄介なところ。前に同じタイミングでホストクラブから退店した子が、まっすぐ大久保公園に向かっていきました。その子の担当ホストも『稼げたら戻ってくるんだよね』とわかったうえで濁した言い方をしていましたよ。出勤徒歩10秒で、ラブホも近い。そのお金を使うのも歩いてすぐのホストクラブ。半径200m以内で経済が回っています」(前出・ミカ)

ホストへの支払いと警察、それらに追われる立ちんぼと、それを微妙な距離から観察する買い手の男性たち――。歌舞伎町半径200m以内で繰り広げられている奇妙なイタチごっこのループはまだまだ終わりそうにない。

取材・文:佐々木チワワ