2024年度上半期(4-9月) 「円安」関連倒産(9月30日現在)


 2024年度上半期(4-9月)の「円安」関連倒産は43件で、前年同期の1.5倍増(前年同期比53.5%増)と大幅に増えた。年度上半期では、4年連続で前年同期を上回った。負債総額は241億5,200万円(同87.3%減)と大型倒産の減少に伴い減少した。年度上半期では、4年ぶりに前年同期を下回った。

 年度上半期の「円安」関連倒産は、産業別では卸売業の20件(前年同期12件)が最多だった。次いで、製造業(同8件)と小売業(同5件)、運輸業(同ゼロ)が各7件の順。円安で原材料や資材、燃料・エネルギー価格が上昇するなか、価格転嫁が遅れた企業の行き詰まりが目立った。

 2024年3月末の外国為替レートは1ドル=151円34銭だったが、7月は1ドル=161円94銭まで円安が進んだ。その後、政府・日銀の為替介入、政策金利の0.25%程度の引き上げ決定などで円高が進み、9月16日には1ドル=139円台まで円が急騰。さらに、自民党の総裁選挙を受け、一時的に円高に振れたが、その後は若干戻し、9月30日は1ドル=142円前後で推移している。

 円高による物価下落にはタイムラグがあり、物価の安定には時間を要する。経営体力がぜい弱な小規模企業ほど価格転嫁が難しく、新たな資金調達も厳しさを増しており、円安の影響は長引く可能性が高い。