引退登板を終え、岩貞(右)から花束を受け取る秋山(撮影・中田匡峻)

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 「ウエスタン、阪神7−8ソフトバンク」(24日、鳴尾浜球場)

 今季限りで現役を引退する阪神・秋山拓巳投手(33)が24日、ウエスタン・ソフトバンク戦(鳴尾浜)で現役最後の登板に臨み、試合後にはセレモニーが行われた。家族も見守った感謝のスピーチでは感極まって声を詰まらせ涙。自身のプロ人生を「捲土(けんど)重来」と表現して、「はい上がる事もできたシーズンも何度かあったので、すごくこの15年間、誇らしく思ってます」と現役にピリオドを打った。秋山の一問一答は以下の通り。

  ◇  ◇

 −明日からは練習することも、膝を痛めつけることもない日々に。

 「後輩に厳しい言葉を投げかけることもできなくなるっていうのが、本当に寂しいところです。これからは別の目線で、別の場所からタイガースに貢献できるようなことをやれればいいかな」

 −頑張ってきた膝に声をかけるとしたら。

 「痛いながらも無理やり練習してきましたし、これからの人生も長いんで、『これ以上悪くならないでね』って伝えたいかなと思います」

 −マウンドから降りる時に土をならしていたがどんな思いで。

 「長い間鳴尾浜でも投げてきましたし、鳴尾浜も明日で最後なんで、感謝の気持ちも込めて整備させていただきました」

 −マウンドでは涙を見せず。

 「マウンドで泣くかなと思ってたんですけど、ほんとにいつも通り、ゲームに入ってたんで。自分でも思いました。ここで泣かんのや、と。でも、岩貞が花持ってきてくれた時とか、その瞬間にもうダメでしたね」

 −鳴尾浜はどんな場所。

 「しんどかったですけど、一番頑張ってきた球場でもあるんで、ここで最後終われてよかったと思ってます」

 −入団時に15年間やれるっていうイメージは。

 「入団会見で『息の長い選手になる』って言ってて、今考えると大変なことしゃべってたなと思います。本当はやっぱり40近くまでやりたいなっていう気持ちはありましたけど、膝も限界でしたし。ここまでしっかり頑張ってこれたんで、満足しています」