3回、佐藤輝を空振り三振に仕留め、ガッツポーズするグリフィン(カメラ・義村 治子)

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◆JERA セ・リーグ 阪神0―1巨人(23日・甲子園)

 大一番で、F・グリフィン投手(29)が魂の投球を見せた。18日のナイター・DeNA戦(東京D)での先発から、実質「中3・5日」のデーゲーム。白星こそ付かなかったが、ボールに気迫を込めて5回4安打無失点に封じた。「(来日初の)中4日とは言えども緊迫した大事な試合でアドレナリンがいっぱい出たので、あまり疲れを感じずに投げられた」。決戦を託された使命感が、疲労を忘れさせた。

 「あまり先のことを考えずに、行けるところまで行こう」と飛ばした。初回2死一、三塁では佐藤輝をスライダーで空振り三振。2回もピンチを脱し、3回も2死三塁で再び佐藤輝を空振り三振に斬った。「得点圏に置いた時に、しっかり投げたい所に意図した球を投げることができたのが大きかった」と底力を発揮した。

 登板2日前のブルペンでの投球練習を普段よりも抑えめに行うなど、できる限りの工夫をして大一番のマウンドに立ち、起用に応えた。阿部監督は「『行けるところまで行きます』と本人も言ってくれていた。その中で完璧に抑えてくれて。ピンチもあったんですけど、何とか抑えてくれた」と助っ人のスピリットに最敬礼。グリフィンの意地が詰まった力投が、痛快な1―0返しを呼び込んだ。(田中 哲)