「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」で俳優の肖像を許可なく再現したとしてルーカスフィルムが訴えられる
by Paintimpact
ディズニーの子会社で「スター・ウォーズ」シリーズの制作を行うルカルフィルムが、映画「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」で俳優のピーター・カッシング氏の姿を無許可で再現したとして訴えられていることが報じられています。
Peter Cushing’s Star Wars resurrection at centre of legal battle
Disney Sued For Using Moff Tarkin's Face In Star Wars Rogue One
https://kotaku.com/star-wars-rogue-one-peter-cushing-disney-sued-1851645468
ピーター・カッシング氏が演じたのは、1978年に公開された「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」に登場した銀河帝国軍総督のウィルハフ・ターキンです。
by Brecht Bug
「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」は「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」の前日譚であり、銀河帝国軍高官としてターキンも登場していますが、「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」の制作時点で、カッシング氏はすでに亡くなっていました。そのため、別の俳優にモーションキャプチャーとコンピューターグラフィックス技術を使ってカッシング氏の顔を合成するという手法が使われています。
実際にどうやってカッシング氏演じるターキンの顔を再現しているのかは、ABC Newsが公開している以下のムービーを見るとよくわかります。
How Rogue One Created Princess Leia, Grand Moff Tarkin - YouTube
イギリスの日刊紙であるThe Timesによれば、ルーカルフィルムを訴えているのはカッシングの友人だったケビン・フランシス氏で、「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」のプロデュース会社であるルナック・ヘビー・インダストリーズ、カッシング氏の遺産相続人(記事作成時点ですでに故人)、カッシング氏の代理人を務めるアソシエイテッド・インターナショナル・マネジメントも訴訟を起こされています。
フランシス氏は、カッシング氏が亡くなる1年前の1993年に、「カッシングの肖像を再現する場合はフランシス氏の許可が必要となる」という合意を交わしたと主張し、ルーカスフィルムに50万ポンド(約9200万円)の支払いを求めました。
一方、ルーカスフィルムは、「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」撮影時のカッシング氏との契約と特殊効果の内容から、カッシング氏の肖像を再現するのに許可は不要だと主張しました。また、カッシング氏の肖像を再現する際に、ルーカスフィルムはカッシング氏の遺産管理団体に約3万7000ドル(約520万円)を支払ったと述べています。
ディズニーは2023年12月にこの訴訟の却下を要請しましたが敗訴しており、控訴したものの2024年9月3日に敗訴しました。そのため、今後開かれる裁判でフランシス氏の要求が認められるかどうかが争われることとなります。