自動運転車開発企業のWaymoは、完全自動運転によるタクシー事業を複数の地域で展開しており、2024年6月末までに総走行距離が2200万マイル(約3540万キロメートル)を突破しています。新たに、Waymoは自社の完全自動運転車が人間が運転する自動車よりも事故件数が少ないことを示すデータを公開しました。

New Data Hub Shows How Waymo Improves Road Safety

https://waymo.com/blog/2024/09/safety-data-hub/





Human drivers are to blame for most serious Waymo collisions

https://www.understandingai.org/p/human-drivers-are-to-blame-for-most

WaymoはGoogleの親会社であるAlphabetの傘下で完全自動運転車を開発している企業です。Waymoはこれまでにサンフランシスコやフェニックス、ロサンゼルスなどの地域で完全自動運転タクシーサービスを展開しており、2024年8月には「1週間あたりの運送件数が10万回を突破しました」と報告しています。

ロボットタクシー事業を展開中のWaymoが週間10万回利用を達成 - GIGAZINE



さらにWaymoは自社の完全自動運転車の安全性を示すべく、完全自動運転車と人間が運転する自動車の事故発生件数の比較データを公開しました。



Waymoは人間の運転手が2200万マイルもの距離を走行した場合、31件のエアバッグを作動させるほど重大な衝突事故が発生すると推定しています。一方でWaymoの自動運転車は同距離の走行のうち、わずか5回しか重大な衝突事故を起こしておらず、人間よりも事故件数が84%少なかったことが報告されています。

また、完全自動運転車による負傷事故の発生割合は人間の運転手と比較して73%少なく、2200万マイルの走行のうち負傷事故の発生件数はわずか20件でした。コンピューターサイエンスの専門家であるティモシー・リー氏は、完全自動運転車が100万マイル(約160万キロメートル)を走行するうちに負傷事故を起こす件数は1件未満で、一般的な人間のドライバーよりもはるかに低い割合と伝えています。

さらに、警察による発表を受けた事故の発生割合は人間の運転手と比べて48%少ないことが報告されています。

「エアバッグが作動した重大な衝突事故」(緑色)と「負傷事故」(青色)、「警察が発表した事故」(ベージュ)の発生率を地域別に比較したグラフが以下。最も効果が高かったサンフランシスコでは重大な衝突事故、負傷事故、警察が発表した事故の発生割合が人間の運転手よりもそれぞれ91%、77%、54%少なかったことが示されています。



Waymoは自社の完全自動運転車に搭載された安全システムについて解説しており、一時停止標識や速度制限などの交通ルールを順守するようプログラムされているほか、高度な検出機能や衝突回避機能を搭載し、潜在的な危険にリアルタイムかつ迅速に対応できることを訴えています。

How Waymo is making roads safer - YouTube

道路の安全性を長年研究してきた土木専門家のノア・グドール氏は「Waymoにはフルタイムで働く安全に関する研究チームがあり、たびたび評判の良いジャーナルに自社の研究結果を発表しています。Waymoは、完全自動運転によるタクシー事業を展開している企業の中で最高の企業です」と称賛しています。