G-FREAK FACTORYが9月4日、前アルバム『VINTAGE』から4年ぶり、通算7作目となるフルアルバム『HAZE』をリリースする。霧や霞を意味する“HAZE”を冠したアルバムには、結成25周年を迎えた2022年リリースのシングル「Dandy Lion」、ドラマーLeoの正式加入後の初シングル「RED EYE BLUES」を含む、全12曲が収録された。

◆G-FREAK FACTORY 画像 / 動画

「バンドとして個人として、この時代に鳴るパンクロックやレゲエ、ブルース、フォークなどの持つ生活背景を描写するアルバムを記したくて、この制作がスタートした」とは茂木洋晃(Vo)の言葉だ。前アルバムからの4年間には、様々な変化があった。beforeコロナ、コロナ禍、afterコロナ。価値観や生き方、コミュニケーションに至るまで、社会も個人も激動を迎え、今もまだその最中にいるのかもしれない。『HAZE』は移り変わる時代を捉え、この瞬間をパッケージした、今にしか生まれないアルバムだ。

そのサウンドは圧倒的なスケール感も、性急なツービートも、ダブやレゲエも、芳醇な香り漂うジャズも、すべてが際立つミクスチャーロック。楽曲制作方法の改変はバンドサウンドを新たなフェーズへ導いたようだ。BARKSは茂木洋晃にアルバム『HAZE』に込めた思い、同アルバムを掲げて開催される<“HAZE” TOUR 2024-2025>、そして間近に迫った自身主宰<山人音楽祭2024>についてじっくりと話を訊いた。


▲アルバム『HAZE』

   ◆   ◆   ◆

■コロナ前に書き止めた歌詞の欠片たちは
■今回の曲作りには一切通用しなかった


──新作『HAZE』は、フルアルバムとしては7作目、ミニアルバムを含めると9作目になります。

茂木:そんなにいきました!?

──ええ。G-FREAK FACTORYは結成27年目ですからね。やっぱり染みるんです、歌詞も曲も。

茂木:ほんとですか(笑)。

──歌詞に投影させた想い、そこから汲み取るべきメッセージなどが、曲を聴くたび強く感じて、間違いなく染みるんです。一過性の言葉や歌詞、曲ではないところが、G-FREAK FACTORYの魅力なんですよ。コロナ禍という長きにわたって沈黙せざるを得ない期間もあって、その時期に茂木さんはバンドとは別に弾き語りのユニットを始めたり、安中ヘルメットプロジェクトという子供たちの防災意識を高める活動などもスタートさせたりしていました。そういったいろんな経験をする中で、G-FREAK FACTORYの曲や歌詞にしたい事柄や気持ちなども湧き上がりやすかったですか?

茂木:いや。コロナ禍の前に書き止めておいた欠片たちは、今回の曲作りには一切、通用しなかったんで。コロナ禍という期間で、完全にリセットされたじゃないですか、価値観もなにもかも、いろんな意味で。だから“これを今、言ってもしょうがない。答えがもう出たし”という事柄がすごく多くなっていて。コロナ禍以前から書いていた自分の中のピースたちは、全部捨てましたね。新しいマインドで曲や歌詞を書いていこうと。だからすごく難産で、時間との闘いでしたね。


──フルアルバムを作ろうと思ったのは、いつぐらいのタイミングだったんですか?

茂木:去年12月ぐらい。

──最近なんですね。去年12月といえば、ROTTENGRAFFTY主催<響都超特急2023>があったじゃないですか?

茂木:ですね。あのときに、アルバム制作の話があったかないか、ぐらいでした。<響都超特急2023>のときはまだ、コロナ禍にかぶってたと思うんだよな。でも、beforeコロナとコロナ禍とafterコロナで、圧倒的になにかが違うじゃないですか。世間も、自分のマインドも、周りの人たちのマインドも。とにかく変わっていくスピードが、ベラボウに前と比べて早くなって。

──そういった変化の早さに戸惑うことも?

茂木:戸惑いというか、俺は“コロナ禍を空白にしたくないっ”て気持ちが強くて。コロナ禍から明けたとき、どうやったら自分がいい意味でフレッシュでいられるのかなって。それを毎日考えながらコロナ禍を過ごしていたつもりだったけど、それ以上に変化のスピードが早かったですね。

──昨年末にアルバムを作ろうと決めて、その後の半年間ぐらいで実際に完成まで漕ぎつけて。先ほどは「難産だった」と言いましたが、モチベーションを高める材料や事柄がそれだけいっぱいあったんですか?

茂木:モチベーションで言ったら、昔から一貫しているんですよ。ローカルでバンドを続けていることに対しての、コンプレックスから生まれるプライド。そこはずっと変わってないんです。ただ今回、そこにもうひとつ加わったモチベーションが、新しい世界に入っていったということ。フルアルバムを出していなかった4年間と、その前の4年間を比較すると、比べものにならないぐらい今回の4年は激動だったと思う。4年前のマインドとは、下手したら正反対のものが芽生えたりとか。生きていて、こんなに変わることってあるんだなと。


──なるほど。

茂木:例えばコロナ禍になって、ライブのありがたみとかも変わったし、ライブを開催できた時点で、ある意味、半分勝ちだったり。そういう価値観は4年前の自分にはなかったんで。それにコロナ禍の期間に3つ歳を取ってしまったと。そこは誰しも同じなんだけど、さっきも言ったように俺はその空白を埋めたくてしょうがなかった。しかも、ただ埋めるんじゃなくて、beforeコロナよりいいものになっていないと意味がないんで。そこに関しては、もう必死です(笑)。だからモチベーションというより、必死さですね。

──必死さが軸の中心にあったと。だからでしょうか、『HAZE』は曲が進むたびに新しさや新鮮さをすごく感じたんです。これほどまでに曲のバリエーションが広がってるのに、全然濃度は薄まっていない。しかも曲ごとに練り上げてある。すごいアルバムを作ったなと思ったんですよ。

茂木:アルバムという単位が、この時代にふさわしいのかどうかも、もはや分からない状況じゃないですか。サブスクで曲が切り売りされたりだとか。だけどアルバムという塊としての表現をしたいし、これからも続いていってほしいし。時代とのせめぎ合いなんだと思う。

──この時代にアルバムを出す意味というのを、ものすごく考えに考えたうえで、それでもアルバムを作るんだっていう向き合い方だったんですか?

茂木:それはあります。コロナで喰らって、こんな激動の時代に音楽をやって、ものが書けたり、声を出せたりする立場にいるってことが、すっごく幸せに感じる。大概の人は、思っていることを殺してしまって、無きものとすることに慣れていくのかもしれないけど。自分らは、不格好でもいいから次世代へのヒントみたいなものを残したり、誤解でも勘違いでもいいからちょっとプラスになってほしいなって気持ちがあるんです。


──曲を作る段階で、弾き語りの活動をしている経験が活きることもありましたか?

茂木:弾き語りをすることで、ステージでの度胸みたいなのが、ちょっとだけ育ったと思うんですよ(笑)。

──G-FREAK FACTORYでこれだけステージに立っているのに?

茂木:いやいや(笑)、どれだけメンバーに助けられていたかってのも分かったから。先々週、盛岡で60分のステージを一人でやったんですよ(<祝開店10周年企画 出張すいれんトゥナイト!>7月26日@盛岡 CLUBCHANGE WAVE)。恐ろしいぐらいの持ち時間(笑)。対バンの中で俺が一番の弾き語り初心者でね。“ここでひるんだら負けだな”と思ってやったんですよ。やらないと、やっぱり血にも肉にならない。あと弾き語りの活動をスタートさせてから、ギターをアンビエンスで録って、DTMソフトにそれを入れて、エフェクターを掛けたりしてイジっていくという、それまで自分ではやったことないことを始めたりとか。“こんなことまでできるのか!”って。そこがおもしろくて、逆に作曲が進まなくなっちゃって(笑)。

──音楽制作ソフトの進化に、今さら驚いたっていう(笑)? ジャングルから出てきた小野田少尉ばりの驚き方してるじゃないですか。

茂木:いや、本当に(笑)。小野田さんのように、「こんなに時代は進化してたのか」って。

──ちなみに、ソフトはなにを使っているんですか?

茂木:Logic Proです。2019年に出したシングル「FLARE/Fire」のとき、初めてLogic Proを手に入れたんです。きっかけは、10-FEETのTAKUMAから「いいから、これを使え」と半ば強制的に勧められたこと。使い方なんて全然分からなかったから、FaceTimeでビデオ通話しながら、「違う! そこじゃない!!」ってTAKUMA先生に教わりながらで(笑)。なんと、そこから実は俺の技術は1ミリも進んでない。

──これを読んだら、TAKUMA先生も大ショックです(笑)。

茂木:ははは。俺が作るのはデモまでだから、それでもいいかなと思ってたんですよ。でも、もうちょっと突っ込んで作り込めたら、曲の核がしっかりしたデモをメンバーに渡せるかなって。ディレイとかも、チャンネルを分けてこだまを小さくして、「こんなニュアンスのディレイなんだよね」って、デモをメンバーに渡すじゃないですか。そうするとLeo(Dr)が「まだ、そんなレベルなんですか?」って。あいつは秒でそれくらいのことをやっちゃうから(笑)。まだまだ勉強できることがあるってのは楽しいですよね。

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■旋律だけでメンバーのテンションが上がって
■曲がどんどん仕上がっていく。焦りました(笑)


──作曲の前段階から音楽制作ソフトと楽しく戯れたことで、音楽に関する視野も広がっていったんですか?

茂木:広がったかどうか分からない。もしかしたら、すごく狭くなっているかもしれない。でも、それはそれで良くて。“今、これが一番いいよな”ってものがあるから。それは変わっていくんだけど、自分も変化しながら時代の中にいる一人の人間として表現する、そういうことが一番やりたいことだなっていう。時代が変わればリリックも変わるし、変わらなきゃいけないし。コロナ禍に書いたシングル「Dandy Lion」と今も同じ気持ちかといったら、もう違うからね。あの頃の嘆きだったり、想いとは。

──録り下ろしの新曲は、“これから開けていくんだ。お前が持っている力は凄いから”という、ネガティヴも突きながら、すごくポジティヴさに溢れた歌が多いと思ったんです。

茂木:そうなんですよ。“明けたんだ” “アルバム出すぞ” “なりふり構わず行こうぜ”って。でも、“そうにもいかねえな”みたいなところもあったり。すごくいろんな感情が入り混じっているんでね。まだ実際に整理できていない想いも、そのままリリックになっていると思う。AIとかテクノロジーがどんどん進化していく中で、ヒューマンな部分やバイオロジーの部分での葛藤もすごくあります。バンドやライブが、この先、大げさなものになるかもしれないし。けど、でかい音で生演奏で、自分たちの考えた曲をプレイして、それを分かち合っていく。そんな普通だったものを、もっと価値あるものにしていきたい…こんなの考えなかったもんね、コロナ禍の前は(苦笑)。


──状況と共に、そういった心境の変化は、茂木さんだけじゃなく、メンバーも同じだったんですか?

茂木:俺は、メンバーとというより一般の人とすごく話すようになりましたよ。一般の人とすごく壁を作ってた時期もあったから。でもね、弾き語りって、“お前ら、来たんだろ!”とか、風を切ってやるとカッコ悪いんですよ。カッコつけきれないんです、弾き語りは。“いやいや、お前らと一緒だよ” “演奏、間違っちゃったよ、ごめんな。でも楽しいか”みたいな感じがいい。そこで、今まで凝り固まっていたものがほぐれて、いろいろ見えましたよ。あとスポーツ選手とか、特別な道に行ってるやつと話したこともモチベーションになったし。一般市民と話すだけでもモチベーションになる。以前は、バンドマンとお客さんみたいなラインをいかに引くかってことをやりすぎていて、今思えばもったいなかった。

──閉ざしていた扉が茂木さんの中にあったとしたら、今は開けっぴろげ? そうなると、『HAZE』の仕上がりが示すように、音楽的にこれだけ豊かになると?

茂木:いや、まだ足りないですよ。もっと豊かになるはずです。もちろん根底にはレゲエやパンクロックがあるので、なにをやってもそこに寄っていくんだろうなって。でもジャンルとかにカテゴライズしたものにはめ込んでいくことに、全然喜びも感じないし。あるならブッ壊していきたい。

──原田季征(G)さんの音作りも音使いも、これまで以上にバリエーション豊かで、いろんなものを見てきた人生なんだなと痛感したんですよ。

茂木:見なくていいものまでね(笑)。

──そっちの人生じゃなくて、音楽人生(笑)。

茂木:各々であると思うんです。原田で言ったら、いろんなギタリストとのコミュニケーションもあったと思うし。っていうか、あいつ音の話しかしねえもん。いろんなフェスに出演しても、そこでギタリストを捕まえて、「あの音、どうやってるの?」みたいな。音のオタクです。素晴らしい。



──Leoさんが2023年に正式加入したのは、「バンドにとってすごく刺激になっている」とシングル「RED EYE BLUES」のBARKS取材で語っていました。Leoさんの加入がひとつの引き金になって、音楽的な広がりに?

茂木:Leoもいい意味で超生意気なやつで、曲のアレンジに関して「こっちのほうがいいと思いますよ」って堂々と言ってくるんですよ。「いや、これでやってきたんだから、言うこと聞けよ」みたいな上から目線もこっちにはなくてね。年齢差はあるけど、全然フラットでやれているから。いいねって思うことは、お互いに柔軟にどんどんやればいい。ただね、さっきも言ったけど、俺が音楽制作ソフトで5時間ぐらい掛けて作ったものを、Leoは15分ぐらいでポンポンって直しちゃうんだよ(笑)。

──まあ、そうでしょうね(笑)。茂木さんが作ったデモ音源のやり取りを、メンバーとは頻繁にしたんですか?

茂木:頻繁にやりましたね。やっぱり、制作ソフトに関してはLeoが一番長けてます。ものすごい武器だと思います。あいつはもうひとつインストのバンドをやっていて、そっちでは「ほぼLogic Proでやってる」と言ってたんで。たまたま俺とLeoが同じソフト使っているわけだけど、俺なんて、Leoの100分の1も使えてないんじゃないかな(笑)。

──Leoさんとだけじゃなく、ギターの原田さんやベースの吉橋さんともデモ音源をやり取りし合ったんですか?

茂木:まず俺が、弾き語りデータか、オケのオーディオファイルとボーカルラインが入ったデモデータをパラで送って。それに一人ずつフレーズや演奏を乗っけたものが、俺のところに返ってくるわけです。

──アルバム『HAZE』のために制作された新曲もその手順で?

茂木:新曲を7曲書くには、どれだけ効率良く回すかが重要で。俺が基本となるデモをメンバーに投げるってのを、7回やるわけじゃないですか。で、みんなから返ってきたものに対して、今度は俺はリリックを書く作業に入るわけです。だけど、これもさっき話したように、“これまで書き溜めたリリックが一切ダメだ”となって。だから、7曲分を同時に考えて、順番に書いていくっていうのが今回だった。


──冒頭でも「すごく難産で、時間との闘いだった」とおっしゃってました。

茂木:正直、リリックは余裕だと思ってたんです、最初は。これだけいろいろ経験したから、なにを書いても大丈夫だなと。ところが、すげー大変だった。今のマインドが、書き溜めていたものとは明らかに違っているし。どんなリリックが乗るか分からないのに、旋律だけでメンバーのテンションが上がって、楽曲がどんどん仕上がっていくんですよ。で、“ヤベー、リリックが全然ねえ”みたいな(笑)。すごい焦りがありましたね。

──でも時間がない中で集中力を高めると、覚醒される感じってありませんか?

茂木:今年のゴールデンウィーク中は、ホテルにパソコンとヘッドフォンとギター、画用紙を持ち込んで。それだけを相手にして。

──自ら缶詰状態にしていたんですか(笑)? 追い込みましたね。

茂木:だけど、その状態でやり続けていると全く浮かばなくなる。コンビニにちょっと行った瞬間に、“あっ、これだ!”ってひらめくこともあって。だから、考え続けてなければ降ってこないけど、あまりに集中し過ぎても全然ダメ。“この音符に乗る4文字が決まらない”とかで、2日間ぐらい悩んじゃうから。あまりにも歌詞が書けなくて、東京から群馬に戻るとき、YouTubeで「歌詞の書き方」みたいなのも見ちゃってね。その動画が言うには、「皆さんが聴いている世の中の曲の9割9分は、曲先です」と。「メロディーが先、後から詞が乗る曲です」と。“だったらこの順番で良かったのか”と思いながらも、G-FREAK FACTORYには詞先の曲もあるんですよ。

──その曲とは?

茂木:「ダディ・ダーリン」と「EVEN」、「島生民」が詞先の曲です。


──ライブのキラーチューンじゃないですか、その3曲は(笑)。

茂木:ていうことは、詞先のほうがいいって場合もあるじゃんと(笑)。

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■<山人音楽祭>は今年も
■いろんな楽しみが待っている最高の音楽祭に


──時間が限られている中、曲先で制作を進めていったことで、デモデータをもらったメンバーも、やりたい放題にフレーズを付けられるっていう?

茂木:そうですね。いい意味でわがままに各々ができる。メンバーから返ってきたら、ボーカルのキーが全然変わっちゃっていた曲もあったし(笑)。そこからボーカルラインをまた変えるってこともしましたね。そこもハードルだったかな、今回。でもこれを超えたら、また新しいものが手に入ると思ってたし。

──何度も言うようですが、アルバム『HAZE』収録曲は幅広さの振り切り方がすごいんですよ。「WHO UNCONTROL」では疾走するパンクで攻めながら、ジャズやレゲエへと展開して、音楽でめちゃくちゃ遊んでるし。“いろんな引き出しをいっぱい持ってるよ”っていう演奏陣のニヤニヤも見えてくるようですが?

茂木:今まで楽曲のコンポーザーは俺だったけど、今回はやりたい放題にできるっていう反動じゃないですかね、そこは(笑)。こんなにいいのができるんだったら、毎回反動を持ってこいって感じですよね。そうやってバンドがブラッシュアップしていくのはすごくいいと思うし、それぞれの持ち場がどんどん光っていくなって。だからこのやり方を、この先もやっていこうかなと思います。あとは俺が制作ソフトをもうちょっとうまく使えるようになれば(笑)。そうすりゃ、もっといいのができる。


──アルバム後半ではドラマティックな色を強めた曲もあって。先ほど「スポーツ選手とか、特別な道に行ってるやつと話したこともモチベーションになった」という話もありましたが、「Parallel Number」はサッカーのザスパ群馬の細貝選手との交流の中で生まれた曲ですよね?

茂木:そう、背番号33。だから「Parallel Number」。細貝がくれたモチベーションですね。何度も飯食いに行って。

──大変な時期もありましたからね、細貝選手は。

茂木:大病したから。もちろん全然諦めていないし、“めちゃくちゃカッコいいな、こいつ。強い男だな”って。力をくれますよ。

──収録全12曲のなかでも特に新曲は、どの曲も伝えるべき相手や伝えたい人がちゃんと見えているんですよね。

茂木:そう、人なんです。

──しかもメッセージは後ろ向きではないし、殻に閉じこもっていない。

茂木:それはあるかもしれないな。「Dandy Lion」のときは閉じこもってばっかりだったよ(笑)。そこの違いか…それはあるかもしれないですね。“ああ、開けたんだな”みたいなところはちょっとあります。

──地元の群馬の景色を見ていても、感じ方が最近は全然違いますか?

茂木:全然違いますね。「アメイロ」なんて、あれを書いた当時、あまりにも寂し過ぎて、切な過ぎて、群馬の景色を観ながら、“ああ、このまま俺は終わっていくんだろうな”と思ってた。だけど、そこから心境は変わったんですよ。「アメイロ」も書いておいて良かったですけどね。ちゃんとこの先の人生に連れていかなきゃダメだなって思うし。良くねえ時代だけど、おもしれえ時代じゃないかって思うようになってきました。


──アルバムはインストゥルメンタルの「巡-meguru-」で締めくくられます。引き出しの多い演奏陣が、きっちりと聴かせて感動的に持っていくという。で、そこから再び1曲目「YAMA」に戻って聴いたときの流れも秀逸なんですよね。

茂木:あの長さのインストだと、置き所がなかったんです(笑)。「しょうがない、ラストで」って。でも結果、オーライですね(笑)。

──何度も繰り返し聴きたいアルバムがここに生まれたわけです。この『HAZE』を9月4日にリリースして、9月21日と22日には主催フェス<山人音楽祭 2024>を日本トーターグリーンドーム前橋で行います。交流あるバンドマンたちはもちろん、高木ブーさんも呼ぶというビックリなラインナップで。

茂木:そうなんですよ。まさか、高木ブーさんが出てくれるとは思わなかったですけどね。御年91歳。伊香保温泉に行ってしまうんではないかって(笑)。今年は<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>がお休みするそうで、佐藤タイジも出てくれるっていう。開催まで時間がまだあると思ってたら、もう間もなくだもんね。今年も、いろんな楽しみが待っている最高の音楽祭にしたいと思いますし、そういうフェスだと思いますよ。

取材・文◎長谷川幸信
撮影◎野村雄治

■アルバム『HAZE』


2024年9月4日(水)発売
【初回限定盤(CD+DVD)】BDSS-0062 / \3,300+税
【通常盤(CDのみ)】BDSS-0063 / \2,700+税

▼CD収録曲 ※初回生産限定盤、通常盤共通
01. YAMA
02. HARVEST
03. voice
04. アメイロ
05. WHO UNCONTROL
06. RED EYE BLUES
07. ある日の夕べ
08. STAY ON YOU
09. ALL FOR SMILE
10. Dandy Lion
11. Parallel Number
12. 巡-meguru-
All songs Produce & Arranged by G-FREAK FACTORY


▼DVD収録内容 ※初回生産限定盤のみ
<山人音楽祭2023>9月23日+24日@群馬・日本トーターグリーンドーム前橋
【DAY.1】
1. Jam
2. SOMATO
3. Too oLD To KNoW
4. GOOD OLD SHINY DAYS
5. SUNNY ISLAND STORY
+オフショット
【DAY.2】
1. らしくあれと
2. RED EYE BLUES
3. ダディ・ダーリン
4. Fire
5. 日はまだ高く
+オフショット




●CDショップ別購入者先着特典
・TOWER RECORDS / TOWER RECORDS ONLINE:ステッカーシート(100mm×148mm)
 予約:https://ur0.jp/xt2t
・Amazon.co.jp:メガジャケ(240mm×240mm)
 予約:https://ur0.jp/RKlRI
・楽天ブックス(オンライン):シューレース
 予約:https://ur0.jp/XTlIo
・セブンネットショッピング:ピック
 予約:https://ur0.jp/SvUOw
・HMV&BOOKS-online-:ポストカード
 予約:https://ur0.jp/UXvGF
・上記ショップ他の全国CDショップ/ECサイト共通特典:ポストカード

▼先行配信楽曲「voice」
2024年7月26日(金)0:00配信開始
配信リンク:https://lnk.to/zQi1TI


■<G-FREAK FACTORY “HAZE” TOUR 2024-2025>

▼2024年
10月19日(土) 千葉・千葉LOOK
10月20日(日) 栃木・HEAVEN'S ROCK宇都宮VJ-2
11月02日(土) 鹿児島・鹿児島CAPARVO HALL
11月03日(日) 福岡・小倉FUSE
11月16日(土) 兵庫・神戸太陽と虎
11月17日(日) 滋賀・滋賀B-FLAT
11月30日(土) 青森・弘前KEEP THE BEAT
12月01日(日) 秋田・秋田CLUB SWINDLE
12月07日(土) 三重・松坂M'AXA
12月08日(日) 岐阜・柳ヶ瀬ants
▼2025年
01月18日(土) 福岡・福岡BEAT STATION
01月19日(日) 広島・広島LIVE VANQUISH
01月25日(土) 宮城・仙台Rensa
01月26日(日) 山形・山形ミュージック昭和セッション
02月01日(土) 京都・KYOTO MUSE
02月02日(日) 石川・金沢AZ
02月08日(土) 静岡・静岡UMBER
02月09日(日) 愛知・名古屋DIAMOND HALL
02月15日(土) 岩手・盛岡CLUB CHANGE WAVE
02月16日(日) 宮城・石巻BLUE RESISTANCE
02月23日(日) 群馬・高崎芸術劇場 スタジオシアター
02月24日(月/祝) 群馬・高崎芸術劇場 スタジオシアター
03月02日(日) 福島・郡山Hip-Shot Japan
03月08日(土) 茨城・水戸LIGHT HOUSE
03月09日(日) 神奈川・F.A.D YOKOHAMA
03月20日(木/祝) 北海道・函館club COCOA
03月22日(土) 北海道・札幌PENNY LANE24
03月23日(日) 北海道・苫小牧ELLCUBE
03月30日(日) 新潟・新潟LOTS
04月05日(土) 大阪・GORILLA HALL OSAKA
04月06日(日) 香川・高松MONSTER
04月12日(土) 長野・長野CLUB JUNK BOX
04月13日(日) 山梨・甲府KAZOO HALL
04月19日(土) 山口・周南RISING HALL
04月20日(日) 岡山・岡山CRAZY MAMA KINGDOM
05月17日(土) 東京・Zepp DiverCity(TOKYO)
▼チケット
前売り\4,000 (税込 / ドリンク別)
※5/17東京公演のみワンマン
※他公演はゲストバンドあり

■G-FREAK FACTORY主宰<山人音楽祭2024>


9月21日(土) 日本トーターグリーンドーム前橋
9月22日(日/祝) 日本トーターグリーンドーム前橋
oepn9:30 / start11:00 ※終演 20:00予定
〒371-0035 群馬県前橋市岩神町1-2-1

▼出演者
【9/21(土)】※五十音順
アイカワヒトミ/打首獄門同好会/Age Factory/ENTH/おとぼけビ〜バ〜/ザ・クロマニヨンズ/佐藤タイジ/サンボマスター/G-FREAK FACTORY/SIX LOUNGE/上州弾語組合/Dragon Ash/HAWAIIAN6/FOMARE/プッシュプルポット/The BONEZ/MAN WITH A MISSION/MOROHA/ゆってぃ&バリ3TV

●山人MCバトル×戦極MC BATTLE 出場者 ※開催は9/21(土) ※50音順
アイカワヒトミ/Amateras/armadillo/MC☆ニガリaka赤い稲妻/小池潔宗/Shamis/DOTAMA/ピラフ星人/Bendy/歩歩/MAKA/ミメイ
DJ:R da Masta/司会:NAIKA MC

【9/22(日/祝)】※五十音順
KUZIRA/G-FREAK FACTORY/SHADOWS/SHANK/上州弾語組合/四星球/SCAFULL KING/高木ブー/DJダイノジ/TETORA/10-FEET/NakamuraEmi/HUSKING BEE/バックドロップシンデレラ/ハルカミライ/THE FOREVER YOUNG/ザ・ボヤキングス/ライブゾーン(TOSHI-LOW&茂木洋晃)/LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS/ROTTENGRAFFTY

●上州弾語組合 出演者
9/21(土) 清水明夫/上原梅弦/美姫/16号。/KIE Anderson/丹羽拓巳
9/22(日/祝) 岩崎有季/高平 悠/小川 晋/鹿山音楽/茂木 拳/83

▼チケット
・1日券:8,800円(税込)
・駐車場付 1日券(9/21):10,000円(税込)
・駐車場付 1日券(9/22):10,000円(税込)
・2日券:17,000円(税込)
・駐車場付 2日券:19,400円(税込)
※駐車場付チケットは先行受付のみの取り扱い
●各プレイガイドにて発売
・チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/yamabito24/
・イープラス:https://eplus.jp/yamabito24/
・ローソンチケット:https://l-tike.com/yamabito24/

主催:DISK GARAGE/BADASS/上毛新聞社
企画・制作:DISK GARAGE/BADASS
協賛:ぴあ株式会社/キリンビール/アーツサウンドビジュアル専門学校/JT/JTB/JR東日本 高崎支社/登利平
後援:前橋市/FM GUNMA/群馬テレビ
(問)DISK GARAGE https://info.diskgarage.com



関連リンク

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