買い物に苦労する山間地に「スイーツ車」 遠方に行けない年配住民から歓喜の声「懐かしい菓子買えた」
車を運転できず遠方へ出かけられない京都市左京区の久多地域に住むお年寄りのために、久多学区社会福祉協議会がスイーツの移動販売車を呼ぶ試みを初めて実施した。参加した住民は、和洋ともに種類の充実した菓子選びを楽しんだ。
久多地域は市内最北端の山間部で高齢化が進んでいる。買い物に苦労している住民が総菜や鮮魚などの生鮮食料品を手軽に買えるようにしようと、久多学区社協が左京区社協と話し合いを重ねていて、今回は「手始めにスイーツを」と企画した。外出する機会をつくることで独り暮らしの人たちが顔を合わせる場作りも狙う。
6月中旬、社協が依頼した百貨店・阪急うめだ本店(大阪市)の移動販売車が、ようかんやマドレーヌ、カステラなど約50種類の菓子や茶葉を積んで「久多いきいきセンター」の駐車場に到着。地元住民ら約20人が、互いにどんな商品を選んだかを見せ合いながら品定めしていた。
大阪の銘菓「岩おこし」を買った辻禮子(みちこ)さん(93)は「懐かしい菓子を買えた。また来てほしい」と笑顔だった。
企画に携わった久多学区社協の河原康博会長(76)は「思っていたより盛り上がって良かった。スーパーの代わりになるような移動販売につなげていけたら」と展望を語った。
(まいどなニュース/京都新聞)