LRT開業1周年の特集です。利用客はさらに伸びを見せています。今回は利用する側から見たこの1年を取材しました。

LRT運営会社の中尾正俊常務に話を聞くと「開業景気で半年くらいは多くの利用者があるだろうと思っていたが、今年4月からさらに伸びている。全国でもまれな例です」

実際の利用客の声を聞いてきました。まずは学生、生徒です。8月6日に宇都宮清陵高校で来年春の入学者向け中学3年生の1日体験学習が行われましたが、LRTを利用して訪れた生徒が目立ちます。今年の体験学習に申し込んだのは、去年に比べ100人増え900人を超えました。

次に高齢者です。LRTは古くからこの地区に住む住民の移動手段を変えました。73歳の阿久津秀夫さんは清原地区自治公民館連絡協議会の会長で、集まりに出かける際はほとんどLRTです。

(阿久津秀夫さん)「重宝しています。何より車より安全です。こんな便利な乗り物、早く作ってほしかった」

最後に通勤手段としてのLRT。朝の通勤ラッシュは都心並み。すっかり日常の風景になりました。今年31歳の七五三掛湧也さんも、会社への通勤手段を車からLRTに変えました。

(七五三掛湧也さん)「家から電停まで5分くらい。乗っている間は好きなことできます。車内から渋滞を見ると、LRTで良かったなと思う」

家から停留場まで5分。LRTに乗って8分。降りてから会社まで2分です。七五三掛さんが勤める樹脂の製造、研究を行うセラニーズは、清原地区市民センター前停留場のすぐ目の前。会社は土地を譲渡して、トランジットセンターの整備に協力しました。

(宇都宮事業所長の田中雅明さん)「若い人が歩いているのが多いのが1年で変わったところですね」

LRT運営会社の中尾常務は、2年目に向けて改めて「利用者のためのLRT」を強調します。

(LRT運営会社 中尾正俊常務)「LRTを導入して運行会社だけが得することはあり得ません。走ることによって沿線の皆さま方に大きく寄与できることがないと、何のために導入したか目的が分からなくなります。宇都宮の将来の街づくりに向けて一生懸命頑張っているところです」