“Xiaomiライカ”の「プロモード」は普通のスマホカメラとどう違う?フォトグラファーがガチで使ってみた

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【趣味カメラの世界 #2】

第一回目では「Xiaomi 14 Ultra」(19万9900円)に搭載されている、ライカフィルターについて紹介しました。スマートフォンで、手軽にエモくて高品質な写真が撮れる素晴らしいフィルターです。今回は、さらに一歩踏み込んで「プロモード」についてフォトグラファー目線で見ていきます。

■そもそも「プロモード」って?普通のスマホカメラとの違いは?

プロモードを選択するとこのような画面表示になります。ホワイトバランス、フォーカス、シャッタースピード、絞り値などをそれぞれ任意で調整できます。

「難しい設定は分からないよ」という人も、絞り値だけを好きなように設定して(絞り値を任意に変更できるのはメインカメラのみ)ほかはオートで撮影するような、一眼レフで言うところの「絞り優先モード」みたいな使い方もできるので安心です。

スマートフォンで撮影するときって、こういう強い逆光の場合に人物が黒く影になってしまうことが多いと思います。

そんな場合も、プロモードなら露出を任意に変更できるので、一眼レフカメラで撮影しているかのように扱えます。

プロモードを使うときにぜひ併用してほしいのは、別売りの「Photography Kit」(2万2000円)です。グリップを装着することで、カメラが握りやすくなり撮影の安定感がアップ!

このグリップ部はバッテリーも内蔵されているので、装着することでスマホに給電することもできます。

シャッターボタンなどの質感もかなり高く、もはやデジカメと遜色ありません。スマホがスリープしているときにシャッターを長押しすれば、すぐにカメラが起動できるのも便利です。

ちなみに、カメラグリップのボタン類はカスタマイズ可能。自分の使いやすいように設定できるのも一眼レフカメラみたいで良いなと思いました。

■エモいフィルターも良いけどRAW撮影で好みの画に仕上げていくのも楽しい!

フィルターを使うと簡単に撮って出しで良い感じの写真が撮れますが、そこからさらに一歩進んで、プロモードを使い、RAWで撮影して自分好みに現像してみるのもオススメです。

▲シャッタースピード1/120秒、F2.5、ISO50、35mm換算75mm/左:フィルターLeica BW Blue、右:Adobe Camera RAWにて現像

同じ写真でスマホ内でフィルターを適用したものと、パソコンにRAWデータを取り込んで現像したものの比較です。

左のLeica BW Blueフィルターもスマホとは思えないぐらい良い感じなのですが、個人的な好みとしてはちょっとすっきりしすぎています。もう少し濁り感が欲しい写真だったので、パソコンでの現像では青みのほかにシャドウにも濁りを加えています。

▲シャッタースピード1/120秒、F1.6、ISO366、35mm換算23mm/Adobe Camera RAWにて現像

画面の隅から隅まで、細かい葉っぱの一枚一枚がしっかりと解像しています。左側のシャドウ部は現像時に明るさを上げていますがノイズ感も少ないです。「Xiaomi 14 Ultra」のメインカメラの実力には驚くばかりです。

▲シャッタースピード1/150秒、F1.8、ISO50、35mm換算75mm/Adobe Camera RAWにて現像

▲シャッタースピード1/140秒、F2.0、ISO50、35mm換算23mm/Adobe Camera RAWにて現像

ポートレート撮影でも試してみました。AFは人物をしっかりと認識してくれます。瞳AFもあるので、人物の瞳にしっかりとピントが合います。AFはかなり正確で、スマホを片手持ちでパシャパシャ撮っていても合焦率は高かったです。

ポートレート向きの中望遠レンズで人物を浮かび上がらせて撮影したり、広角めのレンズで、周囲の状況を入れ込みながら撮影したりも、プロモードなら自由自在。自然なボケ味や肌のクリアな質感などスマホとは思えないクオリティです。

▲シャッタースピード1/530秒、F1.8、ISO50、35mm換算75mm、Adobe Camera RAWにて現像

歩きながら振り返った瞬間をハイアングルから捉えた1枚。軽量なスマホなので片手で軽々と持ち上げられ、一眼レフだと難しいようなアングルも簡単に撮影できます。

▲シャッタースピード1/100秒、F1.6、ISO157、35mm換算23mm、Adobe Camera RAWにて現像

メインカメラの絞り開放で撮影。しっかりと瞳にピントが合いつつ滑らかにボケていく感じは流石です。

▲シャッタースピード1/54秒、F2.0、ISO50、35mm換算23mm、Adobe Camera RAWにて現像

少し昔のノスタルジックなイメージで現像しています。画面中央の日向と、その他の日陰の部分にけっこう明暗差があるシーンなのですが、センサーのダイナミックレンジの広さがうかがえます。

▲シャッタースピード1/240秒、F2.0、ISO50、35mm換算23mm、Adobe Camera RAWにて現像

スマホの写真って、塗り絵っぽいというかベタッとした印象だったんですが、「Xiaomi 14 Ultra」は発色の良さや、細かい部分まできっちりと描ききる解像感で、今までのスマホの写真のイメージを覆します。

■最強のスナップシューターに変身!「ファストショットモード」とは

ほかにもさまざまな撮影モードが用意されているのですが、その中でも6つの焦点距離から選んで撮影できる「ファストショットモード」を紹介します。

焦点距離とともに、任意の撮影距離でAFを固定して撮影するのは、往年のストリートスナップ撮影の感覚を思い起こさせます。撮影範囲外を表示する機能は、まるでM型ライカのブライトフレームのよう。

【結論】ポートレートでもスナップでも活躍する万能カメラ

レンジファインダーのライカのようなスナップ向きのファストショットモードから、本格的に設定を追い込みつつ、自分なりの表現を追求できるプロモードまで、「Xiaomi 14 Ultra」はどんな場面でも活躍してくれる万能感があります。改めて、色んな可能性を感じさせるスマホだなと思いました。

>> Xiaomi「Xiaomi 14 Ultra」

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<取材・文/田中利幸 モデル/久木田帆乃香 取材協力/Xiaomi>

田中利幸|ファッション誌などでブツ撮りやポートレートを中心に活動するフォトグラファー。カメラ・ガジェット好きで自身で運営するブログ「Tanaka Blog」において、カメラやガジェットに関するちょっとマニアックなことを書いている

 

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