ハイエンドなのに6万円台からの高コスパスマホ「POCO F6 Pro」をレビュー!

Xiaomi傘下のPOCOが展開している「POCO」ブランドは世界98カ国・地域の市場に参入しており、POCOのブランド理念の「あるべきものをすべてここに。(Everything you need, nothing you don't)」に合わせて高スペックな機能を手に入れやすい価格帯に投入する人気となっています。そんなPOCOは2022年に「POCO F4 GT」で日本市場に参入し、今回、第2弾として「POCO F6 Pro」が2024年5月23日に発売されました。

POCO F6 ProはPOCO F4 GTと同じようにハイエンド級の高性能ながらもミドルレンジ並の価格に抑えられており、他社の高価なフラッグシップモデルと比べてコストパフォーマンスが高いことから“フラッグシップキラー”とも言われています。日本では内蔵ストレージの違いによる2モデルが販売されており、価格(金額はすべて税込)はオープンながら希望小売価格では256GBストレージモデルが69,980円、512GBストレージモデルが79,980円となっています。

また日本市場でPOCOブランドの製品はXiaomiの日本法人である小米技術日本(以下、シャオミ・ジャパン)がオンライン専売で販売しており、販路はXiaomiの公式Webサイト内にある公式WebストアおよびXiaomi 公式楽天市場店、Amazon.co.jpで、期間限定で渋谷PARCO(東京・渋谷)にて実施されている「Xiaomi POP-UP Store」にて特別展示され、実際に手にとって試せるほか、唯一実店舗で購入できるようになっています。

今回、シャオミ・ジャパンよりPOCO F6 Proをお借りして実際に使ってみましたのでその模様を紹介します。なお、POCO F6 Proは本体色がブラックとホワイトの2色展開で、お借りしたのはブラックでしたので、ホワイトについてはすでに紹介している『POCOブランドのフラッグシップスマホ「POCO F6 Pro」を写真と動画で紹介!ハイスペックながら10万円を大きく下回る高コスパモデル【レポート】 - S-MAX』をご参照ください。


POCO F6 Proはオンライン専売モデルながらXiaomi POP-UP Storeでは特別に展示されており、実機を試すことが可能

POCO F6 ProはPOCOブランドにおける最新フラッグシップモデル「POCO F6」シリーズの上位モデルで、前述通りにPOCOブランドの日本国内向けとしては2022年に日本市場に参入した際に発売したPOCO F4 GT以来の実に2年ぶりの新製品となります。チップセット(SoC)に型落ちながらもQualcomm製のハイエンド向け「Snapdragon 8 Gen 2 Mobile Platform」が採用され、それによって価格的にミドルレンジと同等に抑えつつ、フラッグシップに匹敵する性能になっています。

また冷却システムとしてリキッドクールテクノロジー4.0を搭載しており、ゲームなど負荷の高い作業にも対応し、ベンチマークアプリ「Antutu Banchmark」を試してみると、スコアが150万ポイント超えとなっており、実際に高い処理能力になっていることがわかります。一方で価格を抑えるために日本市場向けのカスタマイズなどは行われておらず、おサイフケータイ(FeliCa)や防水・防塵には対応していません。


Antutu Banchmarkでは150万ポイント超え

画面は2K解像度の約6.67インチWQHD+(1440×3200ドット)Flow AMOLED(有機EL)ディスプレイ(約526ppi)で、最大120Hzリフレッシュレートや最大480Hzタッチサンプリングレートに対応しているため、スムーズな表示や操作が可能なほか、ピーク輝度が4000nits、コントラスト比が500万:1、表示可能色が680億色(12bitカラー)などとなっており、HDR10+やDolby Visionに対応することによって鮮やかな映像体験が実現されています。

また最大3840Hz PWM調光に対応しているため、最適な明るさに調整可能だったり、雨でも高精度の操作ができるウェットタッチ技術も搭載しています。さらに画面の上部中央にはパンチホールが配置され、パンチホール部分には約1600万画素CMOS/広角レンズのフロントカメラが内蔵され、生体認証として顔認証に対応するほか、画面内指紋認証も搭載しており、さらに指紋センサーは心拍数モニタリングにも対応しています。


ディスプレイはかなり明るく鮮明な表示が可能



120Hzリフレッシュレート対応

外観としては四方が湾曲したスムーズな背面パネルとメタルフレームによるプレミアムなデザインとなっており、本体の上の方の側面に配置されたネットワーク用の「デュアルウィングアンテナ」によってアンテナ面積が170%増加したことと合わせて既存製品よりも信号強度が最大39%向上し、より安定した高速通信が可能となっているということです。サイズは約160.86×74.95×8.41mm、質量は約209g。

また電池性能は大容量5000mAhバッテリーを搭載し、超高速充電機能として最大120Wの「Xiaomiハイパーチャージ」に対応しており、約19分間で100%の充電が可能で、嬉しいことに120W出力のACアダプターとUSBケーブルが付属しています。さらにPOCO Surge P2充電チップセットとSurge G1バッテリーチップセットを搭載し、これらを利用した高度なバッテリーマネージメント機能にて充電効率と安全性を確保してバッテリー寿命を延ばす機能などにも対応しています。


120W出力のACアダプターで充電しているところ



P同梱物はPOCO F6 Pro本体およびACアダプター(試供品)、USB Type-Cケーブル(試供品)、SIM取り出し用ピン(試供品)、ソフトケース(試供品)、クイックスタートガイド)

一方、リアカメラは約5000万画素CMOS/広角レンズと約800万画素CMOS/超広角レンズ、約200万画素CMOS/マクロレンズのトリプル構成で、メインとなる広角カメラはXiaomi独自のイメージセンサーブランドのセンサーである1/1.55型の「Light Fusion 800」を採用しているほか、F値1.6の明るい6Pレンズや4つの画素を1つにまとめて1画素2.0μm相当で明るくノイズの少ない撮影が可能で、さらに光学手ブレ補正(OIS)に対応し、最大50枚までの連続撮影を可能にするバーストショットモード2.0を搭載しています。


リアカメラ部分



カメラ作例(超広角:0.6倍)



カメラ作例(近接撮影)



カメラ作例(ポートレートモード)

携帯電話ネットワークの対応周波数帯は以下の通りで、SIMはnanoSIMカード(4FF)スロットが2つのデュアルSIMデュアルVoLTE(DSDV)に対応していり、無線LANは仕様としてWi-Fi 7に対応したIEEE802.11a/b/g/n/ac/ax/be準拠(2.4および5GHz)となっていますが、日本ではWi-Fi 7では利用できません。またBluetooth 5.3(デュアルバンド)やNFC Type A/Bにも対応しています。

2G:GSM:850/900/1,800/1,900MHz
3G:WCDMA:1/2/4/5/6/8/19
4G:LTE FDD:1/2/3/4/5/7/8/18/19/20/28/66
4G:LTE TDD: B38/40/41/48
5G:n1/2/3/5/7/8/20/28/38/40/41/48/77/78

その他、位置情報取得はA-GNSS(GPS:L1+L5、GLONASS:G1、Galileo:E1+E5a、BeiDou:B1I+B1C+B2a、QZSS:L1+L5、NavIC:L5)やセンサーアシストポジショニング、データネットワーク、ワイヤレスネットワークに対応し、X軸リニア振動モーターや近接センサー、環境光センサー、加速度センサー、フリッカーセンサー、電子コンパス、ジャイロスコープ、赤外線(IR)リモコン、ステレオデュアルスピーカー、Dolby Atmos、ハイレゾ音源などに対応しています。

OSはXiaomiブランドやRedmiブランドと同様に独自ユーザーインターフェース「Xiaomi HyperOS」(Android 14ベース)がプリインストールされています。実際にPOCO F6 Proを使っていると、フラッグシップ機並みの快適さを実感でき、ミドルレンジの価格帯でこのような快適な操作を実現しているため、処理性能的なコスパを求める人にとっては最適なモデルの1つなのではないかと感じました。

記事執筆:伊藤浩一


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