2024年下半期以降の「倒産危険度」が高い業種は…?(画像はイメージ)

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 AI与信管理サービスを提供するアラームボックス(東京都新宿区)が、2024年下半期以降の「倒産危険度の高い上位10業種」の予測をランキング形式で発表しました。

要警戒企業の総数自体が増加

 今回ランクインした10業種は、同社が2023年6月1日から2024年5月31日に収集した1万4058社・22万3571件のネット情報などから、1年以内に倒産する危険性がある「要警戒企業」を分析・抽出し、予測したものです。

 調査結果によると、「倒産危険度の高い業種」の1位は「職別工事業(設備工事業を除く)」。「48社に1社が倒産する危険性あり」とされました。前回3位から順位を上げる形となった同業種は、専門的な技術力を有する一方で、建築物や土木施設の一部工事を担当する下請け企業が多く、他社との激しい価格競争の結果、業績が悪化した企業で倒産や支払い遅延が発生していたといいます。また、企業規模の小さい企業が多いため、昨今の建築資材の仕入れコスト増加や人手不足による外注コスト増加による収益性の悪化が大きな負担となっているようです。

 2位は「道路貨物運送業」(53社に1社が倒産する危険性あり)。コロナ禍で需要が減少した引っ越し会社や食品の運送会社で資金繰りが限界となり、倒産や支払い遅延の情報が発生していたということです。2024年4月から働き方改革関連法で、自動車運転業務の年間時間外労働時間の上限が960時間に制限されたことにより、ドライバーなどの人手不足による受注減や外注費の増加が起きているほか、燃料費の高騰といった外的な要因も加わり、倒産リスクが昨年以上に大きく高まっているとしています。

 ランキングは以下、3位「各種商品小売業」(58社に1社が倒産する危険性あり)、4位「設備工事業」(62社に1社、同)、5位「総合工事業」(64社に1社、同)と続く結果となりました。

 調査結果を受けて、同社は「倒産リスクの高い情報が発生している要警戒企業の総数自体が増加しており、倒産危険度が全体的に高まっている様子が分かりました。実際に、コロナ禍では政府からの支援策で抑えられていた倒産件数が現在は増加傾向にあるため、今後もさまざまな業種で倒産リスクは高まっていくと予想されます」と指摘。

 また、「倒産可能性の高い業種の上位には、円安による輸入資材・原材料の高騰や、2024年問題による人手不足の影響を受けて採算性が悪化しやすい業種が多くなる傾向となりました。この資材高騰と人手不足のどちらの影響も受ける工事業が、10位以内に3業種ランクインしており、倒産関連情報が多く発生していたことから厳しい業況がうかがえます」とコメントを寄せています。