盗難レゴセット4,000点を押収。被害総額は3200万円以上
高くそびえるレゴセットの山。
2024年7月初旬、米オレゴン州ユージーンにあるレゴ販売店に家宅捜索が入りました。
スプリングフィールド警察署のFacebookページは、組織的な小売窃盗に対する3カ月がかりの捜査によって導き出された店舗Brick Buildersから、盗難品とされるレゴセット(その多くがレア品)4,000点以上を押収したと発表。価格にして約20万ドル超(約3200万円)に相当します。
Brick Buildersは、セットやバラのピースをコレクターに売っていたサードパーティーのレゴ販売店でした。レゴセットはプレミアム価格がつき、全米各地で個人経営の店が営業されるほど人気が出ています。
2017年創業のBrick Buildersは、入手困難なセットを購入できる店として評判を得ていました。スプリングフィールド警察によると、在庫品の中にスーパーマーケットのTarget(ターゲット)や書店チェーンのBarnes & Noble(バーンズ・アンド・ノーブル)といった地元の小売店から盗まれていたものもあったとか。
警察署のFacebookに投稿された押収品の写真は、レゴセットの前に警官たちが並んでいて、その量の多さがありありと伝わります。
万引きに対するモラル・パニック
アメリカは万引きに対してモラル・パニックに陥っています。この数年間で、小売業者らは店舗で窃盗が増えたと自己申告していましたが、その実態は計りがたいものでした。実際の件数に関係なく、万引きに対する懸念から警官たちは改めて注目するように。オレゴン州スプリングフィールドで起きたのは、そういうことだったのです。
発覚までの経緯
大手の小売販売店には、店で窃盗犯を監視し犯罪を調査する専属の万引きGメンがいます。彼らは警官ではありませんが、警官と協力することが多々あります。
スプリングフィールド警察署によると、警察はTargetやFred Meyer(フレッド・メイヤー、こちらもスーパーマーケット)、Barnes & Nobleの万引きGメンと連携し、Brick Buildersの家宅捜索に至ったそう。
万引きGメンたちは、それぞれの店舗でレゴセットをたくさん盗んでいる人物に気付いて追跡。窃盗犯たちが商品を売ったとされる場所が、Brick Buildersでした。
警察によれば、窃盗犯たちが持ち込んだ大型で高額なレゴセットをBrick Buildersの従業員らは販売価格の数分の1の値段で買い取っていたとのこと。
このニュースを受けてレゴについてのサブレディット(掲示板)には、Brick Buildersの幅広い品揃えと値段の高さについての口コミ、さらには「少し驚いてる。なぜ彼は捕まらないと思ったんだろう」といったコメントが寄せられていました。
厳罰化の流れ
店のオーナーと従業員1名は組織的な小売窃盗と盗品の受領の容疑で起訴されました。どちらの容疑もオレゴン州では最近、同地域での窃盗増加による懸念に対応する意味もあって、最大量刑と罪の範囲が拡大されたばかり。組織的な小売窃盗の容疑だけでも2年の懲役を科される可能性があります。
スプリングフィールド警察はFacebookページの声明文の中でこう述べていました。
家族のために買う品々のコスト上昇を通して、組織的な小売窃盗の影響を誰もが感じています。
Source: Daily Emerald, The Atlantic, Brookings, reddit, FOX 12 Oregon, KOIN News,
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