陽岱鋼の変わらぬ“野球への情熱” 新天地の新潟でも「試合に出たら全力プレーをするだけ」橋上監督と野球「自分にとってプラス」

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今季からオイシックス新潟でプレーする陽岱鋼。野球への情熱は変わらない(C)TsutomuBEPPU/CoCoKARAnext

 日本ハム、巨人などでプレーしてきた陽岱鋼は、今季からイースタンリーグに参加しているオイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブに入団を決めた。

 NPB通算で1322試合に出場し、1164安打、105本塁打、482打点をマーク。日本ハム時代には4度のゴールデングラブ賞を獲得し、外野の守備でもファンを唸らせるなど、輝かしい実績を残してきた。

 2016年オフには巨人と5年の大型契約を結んでFA移籍したが、移籍1年目で下半身のコンディション不良に見舞われるなど、思うような結果を残すことはできなかった。

 2021年のオフに巨人から提示された再契約を断り退団すると、2022年からは米独立リーグや豪州でプレーし、その後、声をかけられたのが、オイシックスの指揮官である橋上秀樹監督だった。

 陽は、橋上監督が楽天や巨人などのコーチを務めていたときに対戦経験があり、「橋上さんの下で野球の話を聞きたくて、一番いいタイミングじゃないかなと思った」と心に決め、「対戦するといろんな作戦を持っている方ですし、もっと(野球を)勉強したい」と、オイシックスへの入団を決意した。

 実際に入団すると「いろんな野球の話もありますし、自分から聞きに行くこともたくさんある。試合中に監督と話して聞いたりします」と、指揮官と日々コミュニケーションを取っていると話し、試合の状況や場面、守備位置、打撃などあらゆる面でアドバイスをもらい「自分にとってプラスになる」と、うなずいた。

 その上で「今までやってきたことを継続してやっている。若い子に負けないように、練習しますね」と、37歳になった今もはつらつとしたプレーを見せている。

 オイシックスにはNPBの12球団を目指す若い選手たちも多く在籍しており、陽の経験値はチームにとって大きな財産だが「自ら教えることはないんですよ。アドバイスというよりは意見交換がいいんじゃないかなと思っている」といい、「こういうのどう?」「試したらどう?」と、若い選手たちの背中を押す役割を担っている。

 陽はここまでの野球人生を振り返って「野球をやっている上では苦しい。打てるときも打てないときもある。それは日々苦しい。それをどうやって力に変えられるかは自分の考え方。そこはどこで野球をやっていても変わらないですね。試合に出たら全力プレーをするだけ」と、力強く語った。

 環境は変わっても、野球への情熱と取り組む姿勢は変わらない。そんな懸命な姿こそが若い選手たちの手本となり、チームに大きな影響を与えているようだ。

[文:別府勉]