NVIDIAのGeForce RTX 4090はNVIDIA製の消費者向けGPUとしては記事作成時点で最上位に位置づけられ、搭載グラフィックカードは安価なものでも約30万円で販売されています。このGeForce RTX 4090に旧世代のGPUを搭載した偽造グラフィックカードが市場に出回っていると、PCパーツの修理動画を多数公開するYouTubeチャンネル「northwestrepair」が報告しています。

Warning about new Nvidia 4090 scam just hit the market - YouTube

northwestrepairに修理を依頼されたのが、ASUS「TUF-RTX4090-24G-GAMING」です。



抵抗を調べてみると、テスターにはかなり高い数値が表示されます。



そこで、より詳しく調査してみたところ、1.8Vの電圧をかけても電流が流れないことが判明。



サーマルカメラで撮影しながら電圧をかけてみても、温度が上がる気配がありません。



そんなわけで、GPUを外してみることに。ここで、取り外したGPUの金属枠が簡単に外れてしまったことに、northwestrepairは嫌な予感がしたそうです。



GPUのはんだボールと接続する基板のパットをチェックすると、何かにこすったような傷を複数発見。



ひとまずパットにある傷を修復します。



そして、GPUを再びはんだ付け。この段階で、northwestrepairはさらに怪しい点に気付きます。



GPUの周囲にあるVRAMのはんだ付け部分をよく見ると、はんだ付けされている部分とはんだ付けされていない部分があると判明。



実は搭載されていたVRAMは、外殻だけそれっぽく見せていた偽物でした。



VRAMのはんだボールを見ると、偽物と本物で回路パターンが全く違うことがわかります。



こうなると、金属枠が簡単に外れてしまったGPUも偽物である可能性が浮上します。調べてみると、GPUダイの左下にあるグランドの位置が本物と偽物で違うことがわかりました。



グランドの位置は、RTX 3080Tiのものと一致。RTX 4090のAD102 GPUのピンは、RTX 3080TiのGA102 GPUと互換性があります。northwestrepairは、修理を依頼されたRTX 4090のチップがRTX 3080Tiの表面を研磨して元のマークを除去し、新しいマークをレーザー刻印して偽装したものだと指摘。もちろんこのようなプロセスは非常に危険で、GPUを損傷する可能性が十分あります。northwestrepairは「詐欺だとして、どうやって見分ければいいのでしょうか。分解してよく見なければわかりません。中国の通販サイトでRTX 4090を購入しないでください」と述べました。