救急車(2016年2月17日、資料写真)。(c)ADEM ALTAN / AFP

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【AFP=時事】オーストラリアで「キノコ」グミを食べた人が「不安を覚える幻覚」症状などを訴え、入院するケースが相次いで報告されている。保健当局は26日、販売企業が商品のリコール(回収)を行っているとして、グミを食べないよう注意を呼び掛けた。

 問題となっているのは、アンクル・フロッグ(Uncle Frog)の「マッシュルーム・グミ」。「記憶力と集中力」の向上をうたったヤマブシタケを使った商品と、「強壮」効果をうたった冬虫夏草属のキノコを使った商品の2種類が販売されていた。商品のパッケージには「地球上で最も良質な大麻を含有」とも記されていた。

 オーストラリア・ニュージーランド食品規制機関(FSANZ)は、どちらのキノコも「未承認新規食品成分」であるとし、販売業者のオージー・ブランズ(Oz Brands)が商品の自主回収を発表したことを明らかにした。

 ニューサウスウェールズ(New South Wales)州の保健当局トップによると、同州では少なくとも5人がグミを食べた後に入院した。

 患者らには「不安を覚える幻覚」「眠気もしくは失神」「発作のような反応、腕や足のけいれんや眼振」などの症状が見られる。

 州の毒物情報センターの担当者は「製品に含まれていた成分について現在調査が行われている」とし、製品の摂取を控えるよう注意を促した。

 販売された商品の数は分かっていないという。

 現在、オージー・ブランズのウェブサイトは閲覧不可となっており、フェイスブックのページも販売停止の旨を伝えるメッセージが掲載されているのみだ。

 不安感への対処でグミをネット通販で購入したというパース(Perth)在住の女性は「8個で50オーストラリア・ドル(約5300円)とかなり高価だったので不審に思った」と豪公共放送ABCに語った。

 またグミを食べた後に「頻脈状態となり、救急車で病院に運ばれた。心拍数は160回(分)にまで上がった」と説明した。

【翻訳編集】AFPBB News

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