復帰後8試合で6失策…中日・高橋周平の三塁守備に“異変” 故障明けの動きで気になるところは?

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高橋周には攻守ともにリズムを取り戻してほしいところだ(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 中日の三塁手・高橋周平に“異変”が起こっている。6月11日に右ふくらはぎの筋損傷から復帰して以降、出場8試合で6つの失策を犯しているのだ。

 かつては2年連続ゴールデン・グラブ賞に輝いた名手で、堅実な守備には定評がある高橋周。一体どうしたというのか。

【動画】中日・高橋周平が節目の1000試合出場を達成したシーン

■接戦での失策が頻発

 まずは、辛いところではあるが、失策の内訳を見ていこうと思う。

・6/13 日本ハム戦
→1点ビハインドの7回先頭、上川畑大悟のゴロをファンブル
→その後、郡司裕也、アリエル・マルティネスの適時打で突き放されそのまま敗戦

・6/14 ロッテ戦
→1点リードの7回先頭、友杉篤輝の三遊間打球をファンブル
→その後、清水達也の暴投で追いつかれる
→試合は延長で勝利

・6/15 ロッテ戦
→1点を追う3回、無死一三塁からウンベルト・メヒアの送球を捕球後、二塁から飛び出していた一走に送球を当ててしまう
→4点差の5回、2死一塁から角中勝也の正面ゴロをトンネル。チームはその後も失点を重ねる
→試合は0-10で大敗

・6/21 広島戦
→0−0の3回先頭、堂林翔太の正面ゴロを後逸
→後続を郄橋宏斗が抑える
→試合は1-0で勝利

・6/23 広島戦
→1点リードの4回、2死一二塁から菊池涼介の正面ゴロをファンブル
→後続を松葉貴大が抑える
→試合は2-1で勝利

 内訳を見ると、ほとんどが打球処理を誤ったもの。そして(元々ロースコアの試合が多いとはいえ)、接戦の最中で痛い失策をしている。直近の広島戦は投手の粘りで無失点となったものの、交流戦では敗戦に直結することもあった。

■気になるのは「反応の遅さ」

 実際、現地や中継等で高橋周の守備を見ていると、ケガをする以前より反応がコンマ1秒2秒遅くなっていると感じる。15日のロッテ戦でのトンネルはその典型例だ。さらに今は失策という「結果」が重なって、動きがやや硬い印象も受ける。

 では、この「失策禍」をどう解決していくのだろうか。一つは与えられた守備機会をこなしていくこと、あとは打ち続けることが重要と考える。

 守備は9割以上捌くのが当たり前なので、改めて数をこなして元の状態に戻していく。そして、守備機会を得るためにもスタメンで出続けることが肝要。高橋周は打撃面での貢献も見込める選手なので、最悪守りが不安でも打ちまくれば良い。幸い、打撃面ではスタメン出場7試合のうち5試合で安打をマーク。13日の日本ハム戦では本塁打を放っている。

 開幕ダッシュを決めて単独首位に立った時は、高橋周の攻守での活躍が光った。離脱後にズルズルと落ちていった時に、高橋周の存在の大きさを痛感させられた。

 ドラゴンズの上位浮上には背番号「3」が不可欠。再び攻守でハッスルする姿を待ち侘びている。

[文:尾張はじめ]