ヤクルトに敗れ4位転落 阿部巨人を悩ます「5番打者問題」とロマン砲の「覚醒待ち」

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阿部監督も様々な手を打っているが、厳しい戦いが続く(C)TakamotoTOKUHARA/CoCoKARAnext

 巨人はリーグ戦再開となった6月21日のヤクルト戦(東京ドーム)に2−4と敗れ貯金0。勝率5割で並んだDeNAに勝利数で及ばず、4位転落となった。

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 先発した戸郷翔征は立ち上がりをヤクルト打線に攻められた。

 初回先頭の西川遥輝に二塁打を許し、続く丸山和郁に犠打を決められ、一死三塁の形を作られると長岡秀樹に適時打を浴び、あっという間に先制を許した。さらに4回には山田哲人に二死走者なしから高めフォークを捉えられ、左翼スタンドへ運ばれた。さらに6回一死一、三塁の場面では中村悠平にスクイズを決められ、3点目を失った。6回6安打3失点で4敗目を喫した。

 一方、苦しかったのは打線も同様だった。リ・スタートとなったリーグ戦再開、注目された打順は1番は変わらず丸佳浩、2番に立岡宗一郎、3番に交流戦好調だったエリエ・ヘルナンデス、5番に吉川尚輝という並びとなった。

 吉川にとってはプロ初の5番、交流戦では全体2位の得点圏打率「.467」をマークしたことから最近のチーム課題である5番打者問題をいかに前に進められるかが注目されたが、3打数無安打と結果を示せなかった。

 打線全体でも相手先発の2年目右腕の吉村貢司郎に対して8回途中無失点と苦しめられた。吉村は5月1日の対戦時にも7回無失点と封じ込められており、新たな巨人キラーともなりそうだ。

 主砲、岡本和真を孤立させないためにも勝負強い5番打者の定着が求められているが、なかなか、「最適解」が出てこない。

 こういったときこそ、若い選手の勢いが求められるが、4点を追う8回先頭に泉口友汰の代打で出た秋広優人は吉村の初球フォークを打たされ、ニゴロに倒れた。昨年10本塁打をマーク、高卒4年目シーズンとなる今季はさらなる飛躍が期待されているが、今季はここまで打率「.235」、0本塁打、0打点。何より求められる長打力、本塁打が未だ0というところに苦しさが現れている。

 背番号55を背負い、将来の主砲と期待されるロマン砲の覚醒が待たれている。
   
 リーグ戦が再開し、首位広島と最下位チームまでの差は5・5ゲームと混セは続く。ただ巨人は開幕からの課題となっている打線が勢いづくための方策が今後も求められそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]