改正政治資金規正法が成立 政治とカネ、抜け道残す 藤井氏「こんなもん許したらダメですよ、国民は」
6月20日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、改正政治資金規正法成立に関するニュースについて意見を交わした。
藤井氏「なんで確認書っていうことにするのかがよくわからない」
自民党派閥の裏金事件を受けて自民が提案した改正政治資金規正法は19日午前、参院本会議で自民、公明両党の賛成多数で可決、成立した。一方で、「抜け道」や検討事項が多く、実効性が不十分なままの改正となった。
政治資金パーティー券購入者の公開基準額を現行の「20万円超」から「5万円超」に引き下げるなどを柱としている。政治家の責任強化として、政治資金収支報告書が適正に作成されたことを示す「確認書」の作成を義務付け、確認が不十分だった場合には公民権停止の対象にするとしている。
「確認書」を提出しても、「確認はしたが不備は気付かなかった」と言い逃れして罪を免れることができる、という点も指摘された。
寺島アナ「藤井さん、抜け道・検討事項が多いという指摘がありますが、藤井さんはこのあたりはどうご覧になりますか?」
藤井氏「なんで確認書っていうことにするのかがよくわからないですよね。だって、不正があったら『あなたダメですよ』って言うだけでいいじゃないですか。連座制なんだから。確認書にしてるっていうことは抜け穴作るために、そうしはったんやろうなとしか見えないですよね。っていうかそれ以外の理由なんか何もないですよ、それは」
政党から党幹部らに渡され、使途公開の義務がない政策活動費については、毎年大まかな使い道を公開し、領収書などは10年後に公開するとしている。プライバシー保護、営業秘密などを理由に10年後でも黒塗りとなる懸念が残っている。
寺島アナ「『透明性が高いって、これで言えるのか?』みたいなことが指摘されております。この政策活動費について、項目ごとの使い道や支出した年月は開示するということなんですが、このあたりはどうですか?」
藤井氏「黒塗りにできるっていうことでしょ? プライバシー保護なんて言い出したら全部黒塗りできるじゃないですか。だって全部、営業秘密にしたかったら秘密にしてもいいんだし。黒塗りにしたら情報が何も開示されないから、理由もわからないですよね、なんで黒塗りにしたかの理由を言わなくていいってことですからね、黒塗りにするっていうのは」
寺島アナ「おそらくそうですよね。いま言ったようなところでプライバシー保護・営業秘密、これが理由だっていうことでしょうね、きっとね」
藤井氏「だから意味ないでしょう」
寺島アナ「ですから、これを以前、国民民主党・玉木代表が『ザルにも失礼なくらいザルだ』みたいな指摘をしてますけれども。でも藤井さん、これが通ったんですよね」
藤井氏「だからこんなもん許したらダメですよ、国民は。政治資金規正法を公開してるっていうことじゃないっていうことがよくわかったんでね、これで」
寺島アナ「そうですね」