食後の血糖値上昇を防ぐポイントを管理栄養士に聞く 食事で対策することはできる?
食事で摂取されたブドウ糖は、インスリンの働きによって組織に取り込まれ、エネルギーになります。その結果、血糖値は上がるのですが、この血糖値上昇を緩やかにするにはどうすればいいのでしょうか? 今回は、血糖値の上昇を緩やかにするポイントについて、管理栄養士の石本さんに伺いました。
※この記事はMedical DOCにて【食後高血糖を抑える食事とは? 管理栄養士が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修管理栄養士:
石本 めぐみ(管理栄養士)
国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。
編集部
食後高血糖は食事で防げるのでしょうか?
石本さん
血糖は食事に含まれる糖質に由来するので、食後高血糖は食事によってある程度防ぐことができます。まずは食べ方を工夫することから始めると取り組みやすいでしょう。
編集部
食後高血糖を防ぐには、どのように食事を摂ればよいでしょうか?
石本さん
食事を早食いするとインスリンの分泌が間に合わず、血糖値が急激に上がりやすくなります。よく噛み、ゆっくり時間をかけて食事を摂ってください。朝食を食べない人は少なくありませんが、食事を抜くと次の食事では血糖値が上がりやすくなります。1日3食、できるだけ決まった時間に規則正しく食べることが大切です。
編集部
食事内容を工夫することでも効果はありますか?
石本さん
食物繊維が多く含まれる野菜や海藻などを、積極的に食事へ取り入れてください。食物繊維は腸の中で糖の吸収を遅らせて、血糖値の上昇を緩やかにする作用があります。食物繊維を含む食品を先に食べ、糖質の多いご飯やパンを後から食べるとより効果的です。そもそも必要以上の量の食事を摂取していると、血糖値は上昇しやすくなります。食事は腹八分目を心掛け、エネルギーや糖質を摂り過ぎないようにしましょう。
編集部
糖質を含む食べ物は体によくないのですか?
石本さん
たんぱく質・脂質と合わせて3大栄養素と呼ばれる、大切な栄養素のひとつが糖質です。糖質は体を動かすエネルギーになり、生命維持に欠かせません。しかし必要以上の糖質は、糖尿病や動脈硬化、脂質異常症といった疾患の原因になります。糖質を摂り過ぎないためには、主食・主菜・副菜をバランスよく組み合わせた食事になるように心掛けましょう。ラーメンとチャーハンといった炭水化物を重ねる食事は、糖質の摂り過ぎになるので避けてください。