「食後に血糖値が上がる理由」をご存知ですか? 高血糖が危険な理由を併せて解説
年齢を重ねるにつれ、血糖値が気になってくる方も増えるでしょう。血糖値は食後に上がることはよく知られている情報ですが、なぜ食後は血糖値が上がるのでしょうか。管理栄養士の石本さんに詳しく伺いました。
※この記事はMedical DOCにて【食後高血糖を抑える食事とは? 管理栄養士が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
≫ 【管理栄養士が解説】朝食抜きが体に悪いワケ「肥満や糖尿病につながる」監修管理栄養士:
石本 めぐみ(管理栄養士)
国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。
編集部
食後高血糖とはどのような状態なのでしょうか?
石本さん
食事を摂ると血糖値は一時的に上昇しますが、健康な人であれば2時間以内には正常値である70~100mg/dlに戻ります。食事を摂ってから2時間後の血糖値が140mg/dl以上であると、食後高血糖と判断されます。
編集部
食後高血糖はなぜ起こるのでしょうか?
石本さん
食後高血糖の人は、インスリンというホルモンが正常に機能していない可能性があります。上昇した血糖値を下げることが、インスリンの役割です。インスリンの分泌量が少ない、またはインスリンが分泌されても効果が弱い場合は血糖値が十分に下がらず、食後高血糖が引き起こされてしまいます。
編集部
食後の血糖値が高いままだと、なぜよくないのでしょうか?
石本さん
食後高血糖が続くと、インスリンの機能不全が原因である糖尿病を発症する可能性が高くなります。糖尿病と診断されていない人でも、食後の血糖値が急上昇した後、すぐに急降下して正常値へ戻る「血糖値スパイク」がみられると危険です。急激な血糖値の変動が繰り返されると、血管壁が傷つけられて動脈硬化のリスクが高まります。