交流戦終了は”トレード活発化”の合図 仕掛けてきそうな球団を過去実績、現況から予想

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積極的にトレード補強を進めてきた中日は今季も動くか(C)TakamotoTOKUHARA/CoCoKARAnext

 プロ野球のセ・パ交流戦は10球団が全日程を終えた。残りは阪神対日本ハムの1試合のみである。

 例年この時期から活発化するのがトレードだ。交換トレード、金銭トレードで残りのシーズンを乗り切るピースを取りに行くケースが多く見られる。今回は過去の実績や現況に触れながら、トレードを仕掛けてきそうな球団を考えたい。

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■過去5年の実績は?

 まずは過去5年間(2019〜23年)の「実績」を見ていく。件数は開幕〜シーズン中のトレード期限に公示されたものをカウントする。
・2019年:6件
・2020年:6件
・2021年:7件
・2022年:3件
・2023年:5件

 過去5年間の平均は5.4件。1シーズンあたり5件程度は発生する計算だ。大半が選手同士の交換トレードだが、2020年は金銭トレードが2件あったり(ともに楽天に入団した案件)、翌21年は中田翔(現中日)の無償トレード(日本ハム→巨人)があったりと、バリエーションのあるシーズンもあった。

 ちなみに昨季は5件とも交換トレードで、中日と巨人がそれぞれ2件ずつ成立させた。とりわけ、中日と日本ハムが行った「郡司裕也&山本拓実︎宇佐見真吾&齋藤綱記」のトレードは、当該選手による交換先での活躍が見られ、両チーム「WIN-WIN」の様相を呈している。

■過去5年でもっともトレードを行った球団は?

 チーム別で見ると、巨人と楽天が積極的にトレードを仕掛けている。巨人は過去5年で10度のトレードをまとめ、2022年以外は複数回実施。楽天(8度、以下カッコ内は過去5年のトレード実施回数)は石井一久GM時代に回数を増やしたものの、近年は減少気味だ。この2チームは今季から監督が変わっており、まずは戦力の見極めを優先するのではないか。

 中日(過去5年で6度)は前述の郡司らの案件だけでなく、2019年にはオリックスと複数人の交換トレードを実施。加えて外国人のスティーブン・モヤも金銭トレードで放出と、現在の立浪政権よりも前からトレードが活発なチームだ。今季もポジションがだぶつくコーナーポジションを中心に、水面下で交渉が動いているかもしれない。

 また、ロッテ(6度)は5年続けて1対1のトレードを敢行し続けている。投手、野手と満遍なく動く傾向があり、今年も何かしらのトレードがあってもおかしくない。

 一昔前まではネガティブなイメージもあったトレードだが、近年は請われて新天地に向かうケースが多く、ファンからもポジティブな反応が見られる。7月31日の期限を前に、今季はどれだけのトレードが発表されるのか。

[文:尾張はじめ]