1シーズンでラツィオを退団する鎌田。(C)Getty Images

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 鎌田大地らの退団の余波は、決して小さくない。

 2023-24シーズンのラツィオは、マウリツィオ・サッリ前監督の下で不振にあえいだ。しかし、同監督の辞任を受け、後を継いだイゴール・トゥドール監督がチームを復調させる。それまで出場機会がなかった鎌田を中心に抜擢するなどし、最終的にヨーロッパリーグ出場権を獲得した。

 だが、その流れを来季に向けて続けることはできなかった。周知のように、鎌田とは交渉が決裂。慰留に失敗し、1年での退団となった。そして構想の中心だった鎌田が去ったことに加え、チーム編成を巡る見解の相違から、トゥドールも辞任。ラツィオは今季終盤の主役2人を同時に失った。

 それだけではない。ラツィオはすでにフェリペ・アンデルソンが契約満了で退団決定。さらに、4月に移籍希望を公言したルイス・アルベルトも中東行きが間近と言われている。

 クラブは新監督にマルコ・バローニを招へいする見通しだ。しかし、数々の主力が抜ければ、厳しい船出となることは想像にかたくない。
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 1980年代にラツィオでプレーしたOBのエルネスト・カリスティは、『Radiosei』で「我々はラツィオが依然として競争力のあるチームだと考えている」と話した。

「だが、フェリペ・アンデルソン、ルイス・アルベルト、カマダ、そしておそらくはゲンドゥジといった重要な選手たちを失った。それほど強い選手たちを見つけ、再建するのは難しいだろう」

 また、レジェンドOBのブルーノ・ジョルダーノも、「アンジェロ・ファビアーニSDの仕事は大変になるだろう」と、強化担当責任者に難しい任務が待っていると述べた。

「若手をあてにしなければいけないからだけじゃない。彼らを重要な選手たちの代わりとしなければいけないからだ。フェリペ・アンデルソンやルイス・アルベルト、それからカマダのことだよ」

 近年のラツィオを支えてきた主力、そして今季終盤戦で存在感を際立たせた鎌田の抜けた穴は大きい。OBたちもそう考えているようだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部