「負けた言い訳はできない」米大型有望株が井上尚弥をフェザー級で“待つ”理由を告白「俺たちに落とす意味はない」
井上との対戦を熱心に望み続けるキャリントン。彼が勝負にこだわる理由とは?(C)Getty Images、(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext
異次元の強さと、軽量級において「異例」と言われる超巨額のファイトマネーは垂涎の的となっている。ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)との対戦を望む戦士が増え続けている。
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とりわけ熱心に「打倒・モンスター」を訴え続けているのは、1階級上のフェザー級で、WBO4位、WBC7位、IBF12位に位置付けられているブルース・キャリントン(米国)だ。
21年にプロデビューして以来、11戦無敗(7KO)と快進撃を続けるキャリトントンは、井上を打破する可能性を持った超好戦的な“KOマシン”。来年にも世界挑戦する計画を練っており、“モンスター”の階級上げを待ち構えている。
いわば、“ボクシングの本場”であるアメリカで期待される大型有望株であるキャリントンは以前から井上について「俺のパンチをくらったら多分立てない」と語るなど自信を覗かせてきた。
そんな27歳は、現地時間6月8日に米ニューヨークで行われる23勝(12KO)3敗のエンリケ・ビバス(メキシコ)戦を前に、複数の米メディアで取材に対応。『Boxing Scene』では「来年までに世界王者の地位を確立して見せる。多くの人が俺とナオヤ・イノウエの試合を見たいと思っている」と言ってのけた。
「俺たちのファイティングスタイルはマッチする。実現できたなら天国のような試合になるだろう。奴がこの階級に上がってくるのを待つよ。俺は彼との対戦を熱望してきたが、失礼な言い方をしてきたわけではない。俺自身の能力を100%信じているし、彼の欠点もわかっている。
俺の武器を利用して、それをさらけ出してやるつもりだ。それはとてもシンプル(な戦略)だ。もちろん今は少し時期尚早であることはわかっているが、その試合は、何十年にもわたって人々の記憶に残り、孫たちの代にまで語り継がれるような大きな戦いの一つになるだろう」
さらに米専門メディア『Fight Hype』のフラッシュインタビューにも応じたキャリントンは、井上との階級の違いについて問われ、「スーパーバンタムに下げるなんてありえない。フェザー級まで上げてもらわないと」と苦笑い。そして、階級を下げるリスクを取らないワケを語ってみせた。
「もう彼はスーパーバンタム級で4団体を統一している。フェザー級にも上げる予定があると言っているんだろ? だったら俺たちに落とす意味はない。俺も、イノウエも、100%を出せる階級でやらないと意味がないんだ。それなら負けた時の言い訳もできないからな」
さらに『Fight Hype』の記者から「イノウエにとってフェザー級は5階級目だ。それを言い訳にされるかもしれないが」と指摘を受けたキャリントンは、「ないだろ」とキッパリ。そして「フロイド(・メイウェザー)やマニー(・パッキャオ)には言わないくせにか? 偉大になるなら偉大なやつとやらないとダメなんだ」と切り返している。
これまで井上と対戦してきた多くのファイターたちと同様に揺るぎない自信を見せているキャリントン。全米の期待を背負う有望株と、「世界最強」と呼ばれる怪物が対峙する日は訪れるのだろうか。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]