30日、都内のホテルで謝罪会見するソフトバンクモバイルの孫社長。(撮影:吉川忠行)

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ソフトバンクモバイルの孫正義社長は30日、東京都千代田区の帝国ホテル東京で会見し、携帯電話の番号ポータビリティ(MNP)導入で28−29日の2日間にわたり受け付けを停止した問題について「MNPの受け付けに殺到したことによりシステムに障害が起き、私どもの顧客だけでなくNTTドコモとKDDIにも迷惑をおかけしてしまったことをお詫び申し上げたい」と述べ、軽く頭を下げた。

 孫社長は、障害再発の防止対策として、システムの能力を約2倍に引き上げるとともに、手続きの仕様変更などを行ったことを明らかにした。その上で、混雑が予想される3連休を含む11月1−5日には契約や機種の変更を制限し、MNP利用者と新規顧客への対応を優先することを明らかにした。対策を説明した後、孫社長は他社に対抗する新プランを紹介。“謝罪”の場でも攻めの姿勢を崩さず、強気だった。

 一部の店舗で、受け付け停止の原因が他社にあったとする張り紙が貼られたという報道があるとの指摘に対し、孫社長は「直接確認していない。店に指示はしていない」と答えた。

 MNPによる顧客数の増減について問われ、「ポート・イン(他社からの流入)の方が多いと感じている」と前向きな言葉を発した。しかし、他社が発表した増減数を提示され、さらにもう一度問われると、「新サービスは26日から開始したこともあり、最初の2日間はアウト(他社への流出)しかほとんどなかったと思う。正確な数字は1カ月ごとに発表する」と言葉を濁した。

 対応策にかかる費用や経営責任については、「対策に頭を集中させており、まだその先は考えていない」とした。11月5日以降のサービスについては「理論的には通常通りのサービスができると考えているが、この数日で検証したい」と語った。【了】