アメリカの半導体企業・Ampere Computingが2024年5月16日に、3nmプロセス技術による256コア「AmpereOne CPU」を発表しました。同社はまた、Qualcommと提携して、Ampere製CPUとQualcommのAIアクセラレータを搭載したAI推論サーバーを構築するとしています。

Ampere Scales AmpereOne Product Family to 256 Cores, Announces Joint Effort with Qualcomm on CPUs and Accelerators

https://www.amperecomputing.com/press/ampere-scales-ampereone-to-256-cores

Ampere announces 256-core 3nm CPU, unveils partnership with Qualcomm | Tom's Hardware

https://www.tomshardware.com/pc-components/cpus/ampere-announces-256-core-3nm-cpu-unveils-partnership-with-qualcomm

Ampere scales CPU to 256 cores and partners with Qualcomm on cloud AI | VentureBeat

https://venturebeat.com/ai/ampere-scales-cpu-to-256-cores-and-partners-with-qualcomm-on-cloud-ai/

今回Ampere Computingが発表したCPUは、TSMCの3nmプロセス技術(N3)により製造された12チャネル256コアCPUで、同社が2023年5月に発表していた192コアAmpereOneの後継モデルです。



Ampere Computingのレニー・ジェイムズCEOは「私たちは製品ファミリーのラインナップを拡大し、CPU市場のどのモデルよりも40%高い性能を実現する256コアの新製品を発表します。このCPUの要はコア数ではなく、このプラットフォームで何ができるかという点にあります。パフォーマンス、メモリ、キャッシュ、そしてAIコンピューティングの効率性により、さまざまな新機能が実現するでしょう」と述べました。

Ampere Computingのチップは特に効率性に強みを持っており、128コアCPUのAmpere AltraでMetaの大規模言語モデル(LLM)のLlama 3を実行すると、x86 CPUにNVIDIA A10 GPUを組み合わせた場合と同等のパフォーマンスを発揮しつつ消費電力は3分の1に抑えられるとAmpere Computingは報告しています。

Ampere Computingは、新しい256コアCPUには前モデルと同じ空冷ソリューションを搭載するとしており、IT系ニュースサイトのTom's Hardwareは「これは新モデルの熱設計電力が350ワット以内に収まることを意味しています」と述べました。



低消費電力を武器に多くの汎用(はんよう)クラウドインスタンスに適合するAmpere製CPUですが、 Tom's HardwareによるとAI向け機能は限られるとのこと。そこで、Ampere ComputingはQualcommと提携し、同社のCloud AI 100 UltraアクセラレータをベースにしたLLM推論向けプラットフォームを開発する計画を打ち出しています。

AIへの取り組みについて、Ampere Computingの最高製品責任者のジェフ・ウィティッチ氏は「当社のCPUは、最も一般的なクラウドネイティブアプリケーションからAIまで、さまざまなワークロードを実行することができます。これには、データ処理やメディア配信などの従来型のクラウドネイティブアプリケーションと統合されたAIも含まれます」と述べました。