「長時間座っていると健康に悪い」「睡眠時間が短いと健康に悪い」といった研究報告は数多く存在しています。スウィンバーン工科大学の研究チームは、新たに「立つ」「座る」「運動」「睡眠」を1日何時間行えばいいのかを導き出しました。

Associations of 24 h time-use compositions of sitting, standing, physical activity and sleeping with optimal cardiometabolic risk and glycaemic control: The Maastricht Study | Diabetologia

https://link.springer.com/article/10.1007/s00125-024-06145-0

How much time should you spend sitting versus standing? New research reveals the perfect mix for optimal health

https://theconversation.com/how-much-time-should-you-spend-sitting-versus-standing-new-research-reveals-the-perfect-mix-for-optimal-health-228894

スウィンバーン工科大学の研究チームは、40歳から75歳の2338人の被検者を対象に身体活動や血糖値を測定できるセンサーを取り付け、7日間に渡って「立つ」「座る」「睡眠」「軽度の運動」「中程度の運動」に費やした時間と血糖値の推移を測定しました。

測定結果をもとに「心臓病や脳卒中などのリスクが最も小さくなる行動時間」を算出した結果、「睡眠:8.3時間」「座る:6時間」「立つ:5.2時間」「中程度の運動:2.2時間」「軽度の運動:2.2時間」という組み合わせが最も健康的であることが導き出されました。



「中程度の運動:2.2時間」と「軽度の運動:2.2時間」で合計4.4時間も運動する必要があると聞くと難しそうに感じますが、「軽度な運動」は「トイレまで歩く」「ウォータークーラーまで歩く」「毎分100歩未満のペースで歩く」という運動が該当するため比較的簡単に実行可能です。また、「中程度の運動」は「毎分100歩以上のペースで歩く」という運動が該当するとのこと。

研究チームは、「軽度な運動」は一度に多く実行するのではなく、「1時間ごとに3〜5分歩く」といったように座りながらの作業を定期的に中断して軽い運動に取り組むのが効果的と記しています。また、特に昼食後の軽い運動が新陳代謝を改善すると研究チームは指摘しています。

なお、2023年に発表された別の研究報告では、「30分ごとに5分間歩く」ことによって1日中座っていることと比較して「食後の血糖値上昇を60%抑える」「血圧が低下する」「疲労感が軽減する」といった良好な結果を得られることが明らかになっています。

「長時間座ること」による健康リスクを簡単に軽減する方法とは? - GIGAZINE