イーロン・マスク氏が率いるEVメーカー「テスラ」の車両は、ドライバーアシスト機能として「オートパイロット」や「フルセルフドライビング(FSD:完全自動運転)」を搭載していますが、FSDは安全上の問題が発覚しリコールが発表されるなど、問題を抱えています。このことについて司法省が「誤解を招く発言により、証券詐欺・電信詐欺を行った疑いがある」として、調査を行っていることがわかりました。

Exclusive: In Tesla Autopilot probe, US prosecutors focus on securities, wire fraud | Reuters

https://www.reuters.com/business/autos-transportation/tesla-autopilot-probe-us-prosecutors-focus-securities-wire-fraud-2024-05-08/



Tesla is being investigated for securities and wire fraud for self-driving claims - The Verge

https://www.theverge.com/2024/5/8/24151881/tesla-justice-investigation-securities-wire-fraud-self-driving

Tesla is under a federal wire fraud probe for misleading investors | Ars Technica

https://arstechnica.com/cars/2024/05/teslas-self-driving-claims-subject-to-federal-securities-and-wire-fraud-probe/

テスラでは2016年10月以降、すべての車両に「オートパイロット」を搭載しています。オートパイロットについてテスラのマニュアルは「運転をより安全でストレスの少ないものにすることを目的とした高度なドライバーアシスタンス機能を組み合わせたもの」と表現しており、完全に自動的に運転をする機能ではないという注記があります。

オートパイロット | テスラジャパン

https://www.tesla.com/jp/autopilot

また、2020年からは「FSD」の提供を開始しています。ただし、名称こそ「完全自動運転」となっていますが、実態はドライバーによる常時監視が必要な「自動運転レベル2」に相当するものであると指摘されています。

2021年には、オートパイロットによる事故多発を受け、運輸省・国家道路交通安全局が調査に乗り出し、200万台以上のリコールに発展しました。

テスラのオートパイロット搭載車両がすべてリコール対象に、リコール対象の車両は200万台超に - GIGAZINE



今回、司法省が調査するのは機能の問題ではなく、運転支援システムについて消費者を誤解させたという電信詐欺の疑い、および投資家を誤解させたことによる証券詐欺の疑いです。

この件を報じたロイターの情報筋は、司法省だけではなく、証券取引委員会もテスラが投資家へ運転支援システムに関して行った説明について調査を行っていると述べたとのこと。

なお、司法省と証券取引委員会はこの件についてコメントせず、テスラからは「2023年10月に司法省からオートパイロットとFSDに関する情報提供を求められた」旨の返答があったものの、今回の件についてはコメントはなかったとのことです。