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●年間700杯以上を食べ歩く“ラーメン官僚”こと田中一明氏が、日本全国のローカル・ラーメンの最新事情&行く価値のある名店をご紹介します。

 前回に引き続き、大阪のラーメン事情を採り上げたい。なぜ、大阪なのか。大阪は、東京、神奈川に次ぐ約880万の人口を誇る、西日本ナンバーワンの大都市。域外からの旅行者も多く、情報としてのニーズが極めて高いと考えたからだ。

 2024年現在における大阪のラーメン事情を概観すると、下記の通り。

1.ラーメンの平均レベルは、東京のそれと肩を並べるほど高い
2.東京と比べ、スープが濁った白湯系ラーメンを出す実力店が目立つ
3.東京の実力店にルーツを有する店も多い

 これら3点が、大阪ラーメンシーンの大きな特徴だ。

『マツヨシ大飯店』は大阪メトロ堺筋線/長堀鶴見緑地線・長堀橋駅7番出口より徒歩1分の雑居ビルの2階にある[食楽web]

 そして上に挙げた3に該当する代表的な店が、『マツヨシ大飯店』(オープンは2022年)だ。場所は中央区東心斎橋、大阪メトロ堺筋線・長堀橋駅を出てすぐの雑居ビルの2階にある。

雑居ビルに佇む名店『マツヨシ大飯店』

『マツヨシ大飯店』は、東京の名店『宗家一条流がんこラーメン』で修業し、「なんばグランド花月」の正面で営業していた『がんこ十八代目』が移転し、屋号をリニューアルしたもの。

今回オーダーしたのは「塩ラーメン(ねぎ塩)」

 ロケーションは、長堀橋にある雑居ビルの2階。マニア心をくすぐる隠れ家的な立地でありながら、営業時間中は行列が絶えないほどの人気ぶりを誇る。

チャーシューの代わりに「豚バラ肉」が。そして「温泉玉子」がのっている

 私がオーダーした「塩ラーメン(ねぎ塩)」は、キレとコクを見事に兼ね備えたスープが、会心の出来映え。

 定番のチャーシューの代わりに「豚バラ肉」と「温泉玉子」が搭載されるビジュアルは、同店ならでは。豚バラ肉から滲み出るジューシーな肉エキスと、スープとの相性は最高。中盤以降、温泉玉子の黄身を麺に絡め、ズズっとすすり上げれば、至福の境地が訪れる。

●DATA

店名:マツヨシ大飯店

住:大阪市中央区東心斎橋1-4-1オリエンタル東心斎橋ビル2F 206号
アクセス:大阪メトロ堺筋線/長堀鶴見緑地線・長堀橋駅7番出口より徒歩1分

●著者プロフィール

田中一明
「フリークを超越した「超・ラーメンフリーク」として、自他ともに認める存在。ラーメンの探求をライフワークとし、新店の開拓、知られざる良店の発掘から、地元に根付いた実力店の紹介に至るまで、ラーメンの魅力を、多面的な角度から紹介。「アウトプットは、着実なインプットの土台があってこそ説得力を持つ」という信条から、年間700杯を超えるラーメンを、エリアを問わず実食。47都道府県のラーメン店を制覇し、現在は各市町村に根付く優良店を精力的に発掘中。