クルマ自体は名車なんだけどこれは流石に……中途半端で人気激薄だった謎グレード3選
この記事をまとめると
■最近のクルマは車種ごとのキャラクターが明確になりつつある
■ひと昔前のクルマは、どっちつかずとも言える中途半端なグレードが多く存在した
■名車の影に隠れた少しガッカリなモデルたちを紹介する
名車の影に隠れた残念モデル
最近は車種ごとのキャラクターが明確になってきたからか、同一車種でまったく性格の異なるグレードが用意されることも少なくなったが、過去にはひとつの車種に実用グレードからスポーツグレードまで、さまざまなものが用意されていた。
そんな数多くのグレードのなかにはどっちつかずの微妙なグレードも存在しており、そういったグレードは販売面でもイマイチだったりした。今回はそんなどっちつかずなグレードを独断と偏見でピックアップしたい。
スバル・インプレッサ S-GT
現在はスポーツ仕様はWRXに譲り、スポーティかつ実用的なハッチバックモデルとなったインプレッサだが、WRX登場以前はインプレッサと言えばラリーのベース車ともいえるほど、スポーツ色の強いモデルとされていた。
そんなインプレッサの3代目に設定された「S-GT」は、2リッターのEJ20ターボエンジンを搭載しフルタイム4WDの駆動方式を持つモデルだったが、5ナンバーサイズのナローボディに最高出力は250馬力、トランスミッションも5速MTと4速ATと、スポーツ色がないわけではないが、ホッテストモデルとは言い難いスペックとなっていた。
もちろんホッテストモデルのWRX STIは遅れて登場しているため、速さを求めるユーザーはそちらを購入するし、実用的なハッチバックが欲しい人は安価な1.5リッターモデルを購入したため、非常に中途半端な存在となってしまった。
とにかく中途半端すぎた!
トヨタ・マークII/チェイサー ツアラーS
FRレイアウトと280馬力を発生させる2.5リッターターボエンジン、そして5速MTの設定があることで、ドリフト走行を楽しむユーザーから愛され続けている100系マークII3兄弟のツアラーVグレード。しかし、その下に2.5リッターのNAエンジンを搭載した「ツアラーS」というグレードが存在していた。
こちらのグレードにはMTの設定もなく、自動車税的にも不利な2.5リッターエンジンということで、なんとも中途半端な仕様となっていた。じつはツアラー系にはエントリーグレードとして、2リッターエンジンを搭載した「ツアラー」というグレードが存在しており、スポーティな装いが欲しければ維持費の安いこちらを購入した方が実際オトクだった。
そもそもいまでこそツアラーVが人気であるものの、新車当時のメインストリームはラグジュアリー系のグランデ/アバンテ系だったため、ツアラーSはもっとも中途半端な仕様となってしまっていたのだ。
日産スカイライン GT-V
最後の直列6気筒エンジンを搭載したスカイラインとして、未だに高い人気を誇るR34型は、トップのGT-Rが君臨していることはご存じのとおりだが、通常モデルのターボも当時の自主規制値いっぱいの280馬力を達成し、4ドアセダンも選択できるなど、GT-Rとは異なる魅力を放っていた。
そんなR34のセダンに1999年2月に追加されたのが、「GT-V」というグレードで、これはビスカスLSDや電動スーパーハイキャスなどターボモデルと同じ足まわりを持ち、200馬力を発生するRB25DE型のNAエンジンを搭載したものだった。
※画像はターボモデルのGT-X
ある意味かなりツウ好みの仕様ではあったが、30万円ほど追加すれば+80馬力のターボモデルが狙える価格であり、普通にセダンモデルが欲しいだけの人は2リッターモデルが200万円ちょっとで購入できたので、販売面では決して成功したとはいえないモデルとなってしまった。