YouTubeで2億人を超える登録者数を持ち、個人としては世界一フォローされているYouTuberのMrBeastが、「X(旧Twitter)の広告収入がどれぐらいなのかテスト」として、これまでは動画を投稿してこなかったXへテスト投稿を行いました。MrBeastは、この投稿を宣伝するためにXに広告を出しているようなのですが、当該広告は「広告」表示のラベルがないとの報告が上がっています。

X appears to be juicing MrBeast's views as Elon Musk tries to woo the YouTuber to the platform | Mashable

https://mashable.com/article/x-twitter-elon-musk-mrbeast-video-unlabaled-ads-creator-monetization



MrBeastがXに投稿したテスト動画はコレ。ほぼスクラップの1ドル(約150円)の車からだんだん高い車へ乗り継いでいくという内容で、記事作成時点の再生回数は1億5000万回以上でした。



MrBeastはどれぐらいの収益になるかアンケートを実施。記事作成時点では1万ドル(約150万円)という見立ての人が多いようです。



この試み自体はとても興味深いものですが、ニュースサイト・Mashableによると、この動画を宣伝するために行っている広告が、他のユーザーのタイムラインにおいて「広告」ラベルなしで表示されているとのこと。Xユーザーの@SHL0MS氏は、広告がすでにタイムラインに7度も表示されたと述べています。当該投稿はどこにも投稿時間の表示がない、いわゆる広告投稿のような見た目なのですが、「Ad」や「プロモーション」など、広告であることを明示するためのラベルは表示されていません。



しかし、@SHL0MS氏は、投稿の右上のアイコンをクリックして表示されるメニューのスクリーンショットを示し、「Not interested in this ad(この広告に興味がない)」の項目があることから、当該投稿は広告であるということを明らかにしています。



Xのアプリを1年はアップデートしていないというコーディ・ジョンストン氏からは、当該投稿に「Ad」表示が出ることが報告されています。これは、当該広告がちゃんとXの広告プラットフォーム経由で配信されたものであることを示したものです。



Mashableによると、Xは「広告ラベルなしで広告投稿を配信する」行為を2023年9月から行っているとのこと。問題の投稿に広告ラベルがつかなかった今回の件が、MrBeastが何らかの行動をした結果なのか、X側が何かしたせいなのかは不明です。

MrBeastの投稿について指摘したサイト・Garbage Dayに対し、Xの広報担当者は「動画が流れる前にプレロール広告が挿入されていることで、広告であるという情報開示だとみなしている」と主張したそうです。

なお、Xのオーナーであるイーロン・マスク氏はクリエイターらに対して、Xにコンテンツを直接アップロードするように呼びかけていますが、MrBeastはかつて「動画制作のコストが高く、視聴回数に対して公平な補償をしてくれるのはYouTubeだけ」と語ったように、Xへの動画アップロードは行っていませんでした。

Mashableによると、X内部でも「収益分配額は他プラットフォームのように一定の視聴回数で決まっているわけではないため、いくら稼げるかを計算することは不可能」とささやかれているとのことで、MrBeastが後日公開予定だという収益レポートが注目されるところです。