1月、身を切るような寒さが続きますが、気温が低いために空は澄み切り、星が美しく見えます。さらに、冬の空には1等星が多く、色もさまざまでとても豪華です。


冬の星座の代表といえば「オリオン座」です。


縦向きのリボンと表現される7つの星からなる星の並びと、そこに含まれる赤い星「ベテルギウス」と青白い星「リゲル」という2つの1等星が目を引きます。


ベテルギウスは「おおいぬ座」の「シリウス」や「こいぬ座」の「プロキオン」とともに、冬の大三角を成す星の1つです。シリウスは白、プロキオンは黄色がかった白ですが、冬の強い風により激しく瞬いて見えることが多く、色の違いは分かりづらいかもしれません。


大三角からやや空高いところには「ふたご座」があります。オレンジ色の1等星「ポルックス」と、白い2等星「カストル」が並ぶ様子は、日本では「金星銀星」と呼ばれることもあります。


天頂付近には「ぎょしゃ座」が上ります。5角形の星の並びが目印で、その1つが1等星「カペラ」です。カペラは黄色で、太陽と似た色の星です。


ぎょしゃ座とオリオン座の近くには「おうし座」があります。瞳の星に当たる1等星「アルデバラン」は、ポルックスより赤みの強い橙色をしています。


星の色を決めるのは温度です。星は温度が高いほど青い色、低いほど赤い色をしています。星を温度の高いものから低いものへと順に見ていくと、その色はおおまかに青、青白、白、黄白、黄、橙、赤と変化していきます。冬の星空には青白から赤までの1等星が輝き、非常に豪華です。


1年のうちで最も寒い時期ですが、冬の晴れた夜には暖かい格好をして、1等星たちが織りなす色鮮やかな星の世界をお楽しみください。


【▲ 2024年1月中旬 20時頃の東京の星空(Credit: 国立天文台)】

■しぶんぎ座流星群

2024年1月4日〜5日頃には、年明け初の天文現象として「しぶんぎ座流星群」を見ることができます。


しぶんぎ座は正式名を「へきめんしぶんぎ(壁面四分儀)座」といい、かつて北斗七星の近くに配置されていました。しかし、現在の88星座には登録されておらず、流星群の名前としてのみ残されています。


しぶんぎ座流星群は3大流星群のひとつですが、観測が難しい年もあります。出現数が増加するのは極大の前後数時間程度に限られていることと、年によって出現数にムラがあるためです。


残念ながら、2024年のしぶんぎ座流星群も条件はあまり良くありません。極大を迎えるのが1月4日の18時頃と、放射点が上りきっていない時間帯であるうえ、下弦の月明かりが邪魔をするためです。


5日の明け方頃には放射点が高く上りますが、極大を数時間以上過ぎているため、出現数は多くありません。正確な出現数は予測しづらいですが、1時間に10個程度と考えておくと良いでしょう。


しぶんぎ座流星群は、「りゅう座ι(イオタ)流星群」と呼ばれることもあり、放射点のそばには北天の星座である「りゅう座」があります。


2024年は辰年です。辰の年明けにりゅうの星座から降る流れ星は、おめでたいことが起こる印のようにも感じられます。


年明け初の天文現象「しぶんぎ座流星群」で、星空の初詣をしてみてはいかがでしょうか。


【▲ しぶんぎ座流星群と放射点(Credit: 国立天文台)】

※…放射点:流星が放射状に飛び出す中心の1点。流星群の名称は、放射点のある星座の名からつけられているものが多い。


 


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Image Credit: 国立天文台, PhotoAC, sorae編集部国立天文台 -ほしぞら情報 東京の星空・カレンダー・惑星(2024年1月)国立天文台 -ほしぞら情報 2024年1月 しぶんぎ座流星群が極大(2024年1月)アストロアーツ -2024年1月4日 しぶんぎ座流星群が極大

文/sorae編集部