内閣衛星情報センターは2023年11月13日、「情報収集衛星光学8号機」の打ち上げを実施すると発表しました。


【▲ H-IIAロケット(写真は47号機)(Credit: JAXA)】


情報収集衛星光学8号機は日本時間2024年1月11日13時0分〜15時0分の間に種子島宇宙センターから「H-IIA」ロケット48号機で打ち上げられる予定です。打ち上げの予備期間は2024年1月12日〜2月29日とされています


情報収集衛星光学8号機は内閣衛星情報センターが開発と運用を行います。同センターによると、情報収集衛星は安全保障分野と災害発生時の危機管理分野における情報収集を目的としています。


光学8号機に関する詳細な情報は公表されていませんが、内閣衛星情報センターが2017年(平成29年)10月に発表した「情報収集衛星に係る平成30年度概算要求について」という資料の中では、衛星の主鏡を大きくしたり高精細検出器を用いたりすることで光学センサの高性能化をはかり、画質の向上をすることや大型姿勢駆動装置を搭載して俊敏性を確保することが述べられています。


【▲ 情報収集衛星光学8号機のミッションマーク(Credit: 内閣衛星情報センター)】


情報収集衛星には光学センサーを用いて地上を撮影する「光学衛星」と、レーダーを使用して地上を調べる「レーダー衛星」の2タイプがあり、地球の特定地点を1日1回以上撮影できる能力を持ちます。今回打ち上げられる光学衛星は、地上の対象物に反射した太陽光の捉えることで観測を行うため、フルカラーの画像データを利用できる利点があります。そのいっぽうで、夜間や悪天候時の観測ができない欠点もあります。


現在運用中の情報収集衛星は「レーダ3号機」「レーダ4号機」「レーダ予備機」「レーダ5号機」「レーダ6号機」「レーダ7号機」「光学5号機」「光学6号機」「光学7号機」「データ中継1号機」です。情報収集衛星の運用に関する計画は、政府が5年に一度改訂・発表している「宇宙基本計画工程表」に示されており、基幹衛星(光学+レーダ)4機と時間軸多様化衛星4機、データ中継衛星2機の合計10機体制を目標としています。


打ち上げに用いられるH-IIAロケットは日本の大型主力ロケットとして2001年から運用され続けてきましたが、新型ロケット「H3」の登場によって50号機で運用を終了する予定です。今回打ち上げが発表された48号機の後は49号機と50号機の2機となります。


関連記事:H-IIA ロケット46号機、政府の「情報収集衛星レーダ7号機」打ち上げに成功 安全保障や災害対策に利用(2023年1月27日)


 


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内閣官房 - 情報収集衛星光学8号機の打上げについて内閣衛星情報センター - 情報収集衛星に係る 平成30年度概算要求について(平成29年10月)内閣情報衛星センター - 情報収集衛星に係る令和2年度概算要求について(令和元年10月)内閣府 - 宇宙基本計画SPACE SHIFT - 光学衛星とSAR衛星の違い

文/出口隼詩