2023年10月31日に開催されたAppleの新製品発表イベントで、Appleシリコンの次世代チップとなる「M3」「M3 Pro」「M3 Max」の3つが発表されました。このチップはMac用Appleシリコンとして初めて3nmプロセスで製造されたチップとなり、Appleはパフォーマンスの大きな向上をアピールしていましたが、M3 Proのマルチコアパフォーマンスのベンチマークスコアが前世代のM2 Maxと変わらないという結果が報告されています。

First Apple M3 Pro Benchmarks Show Surprisingly Low Multi-Core Gains Over M2 Pro | Extremetech

https://www.extremetech.com/computing/first-apple-m3-pro-benchmarks-show-surprisingly-low-multi-core-gains-over

ガジェット関連の情報を扱うYouTubeチャンネル「Max Tech」を運営するVadim Yuryev氏は、Geekbench 6.2.1によるM3 Pro搭載Macのベンチマーク結果を発見したと投稿しました。これによると、シングルコアパフォーマンスのスコアが3035、マルチコアパフォーマンスのスコアが1万5173でした。前世代のM2 Maxを搭載した16インチMacBook Proのスコアはシングルコアパフォーマンスが2857、マルチコアスコアが1万5242だったことから、シングルコアのパフォーマンスは向上しているものの、マルチコアパフォーマンスが下がっているとYuryev氏は指摘しました。



そこで、GeekbenchのデータベースでM3 Proのベンチマーク結果を検索してみたところ、記事作成時点で最新12件が以下。シングルコアパフォーマンスのスコアは3000〜3100、マルチコアパフォーマンスのスコアは1万4000〜1万5000といったところ。



そして、前世代最上位モデルであるM2 Maxのベンチマーク結果がこんな感じ。シングルコアパフォーマンスは2600〜2700、マルチコアパフォーマンスはおよそ14000前後という結果となっています。



さらにM3 Proの上位モデルであるM3 Maxのベンチマーク結果が以下。シングルコアパフォーマンスのスコアはM3 Proとほぼ同等ですが、マルチコアパフォーマンスのスコアは2万前後と、M3 Proのおよそ1.3倍ほどをマークしています。



M2 MaxのCPUは高性能コア×8+高効率コア×4の計12コアを搭載しています。



M3 ProのCPUも同じく計12コアを搭載していますが、高性能コア×6+高効率コア×6という構成となっています。ハードウェア関連ニュースサイトのExtremetechは、3nmプロセスによってCPU1コア当たりの性能は上がっているものの、構成を見ると高性能コアが減っていることから、マルチコアパフォーマンスはM2 Maxとほぼ同等になっているのではないかと推測しています。



一方、M3 MaxのCPUは高性能コア×12+高効率コア×4の計16コア。このことから、Extremetechは「Appleはより高価なM3 Maxへのアップグレードを促すため、コア構成を新しくしてM3 Proに足かせをつけたようです」と主張しています。