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七海ひろきがアーティストとして、また、役者・声優という表現者としても大きく変貌を遂げてきたこの4年という時間が詰まった今回のライブツアー<HIROKI NANAMI One-man LIVE773“DAYLIGHT”>。そこで見たのは、ファンと七海との心の距離の近さと熱さ、そして共に迎えた“新たな一歩への夜明け”だった。

PHOTOGRAPHY BY 高田真希子

TEXT BY えびさわなち

4年前の、同じ場所でのライブからの進化を見せた七海ひろき



開演を待つ会場に主役・七海ひろきの声が響く。開演前映像での「声出しのできるライブを全力で楽しもう」と弾む声に、オーディエンスから拍手が湧いた。そして七海の登場を待つようにSEが流れ出し、まるで夜明けを待つ時間のような静けさと期待とが滲む音をバンドが紡ぐ。ピアノの旋律とシトリングスの音がゆっくりと空を明るくしていく様を感じさせれば、かつしかシンフォニーヒルズに爽快な時間の訪れを知らせるように『林檎の花』が鳴り出す。



躍動するピアノの旋律と鼓動を逸らせるドラムのビートが印象的なアッパーチューンに会場の熱はいきなり急上昇!本人の後方に設置されたビジョンにMVと歌詞が映し出され、観客も声を上げた。血潮迸る1曲のあとには「START!!」、そして七海主演ドラマ「合コンに行ったら女がいなかった話」の主題歌だった「HEART BEAT(七海ひろき Solo ver.)」が響くと、会場はピンクのペンライトに染められる。「Na-na-na-na-na…」と会場一体で歌い上げると、右へ左へと一緒に腕を振り、笑顔を見せる七海。その表情とピースフルでハッピーな楽曲に、観客もみんな笑顔になった。



「もうすでに暑くない?」と七海。「あつーい!」と応えるオーディエンス。この日のライブは会場のみならず生配信でも多くのファンと共に楽しめるようになっていた。会場だけでなく、どこで観ていようとも、ライブを一緒に楽しめることを喜ぶ七海は「今日、遠くから来てくれた人は?」と声をかけると「北海道!」といった声に混じり「上海!」「香港!」の声も!そんな声に七海も「日本各地から、そして世界からも来てくれているからね。これは楽しむしかないよ。イェーイ!」と嬉しさを隠せない。今回の会場であるかつしかシンフォニーヒルズは2019年に『GALAXY』のライブ<One-man LIVE773“GALAXY”>を開催した場所でもある。4年ぶりに帰ってきたことを語りかけると会場から「おかえりー!」の声。「ただいまー!」と大きく手を振る七海。今回のツアーで一番、成長したのはしゃべりながらさりげなく水を飲めるようになったのだと胸を張る。「かわいい!」と声が上がると「みんなのほうがかわいいよ」と返し、歓声を浴びる姿も微笑ましく、ファンと七海との距離の近さを感じさせる場面だった。



一体感での「RUN」。七海ひろきのライブはファンと共に作るもの



暫し観客との語らいの時間を過ごしたあとに鳴り出したのは壮大かつファンタジックなゴシックロック「FATE」だ。まるで楽曲の物語の主人公となったように力強く伸びやかな歌を響かせる七海に向けたれた客席の光の海が揺れる。続けて大人な雰囲気たっぷりに歌い上げた「もう一度…」は切なさの滲む1曲。じっと聴き入るファンの姿が印象的だった。



「今回“DAYLIGHT”というライブと、10月に発売する2ndアルバム『DAYLIGHT』のテーマは夜明け。みんなと一緒に、最高に明るい気持ちになりたい、と夜明けをテーマに作ってきたんだけど、その中にもかなりロックな楽曲がいっぱいあります。だから今回の衣装もロックスタイルです!」とシルバーの皮ジャケに目を引く赤の差し色が入った衣装を見せたいとばかりにステージ中央でくるりと回ってみせる。「かわいい!」「かっこいい!」のどちらの声も上がる会場に、「どっちも嬉しいけど、“かっこいい!”はめちゃめちゃ嬉しい!ありがとう!」と七海は腕を高く上げた。「ここからアルバム『DAYLIGHT』から3曲続けてお届けする」という七海は3曲目に歌う「RUN」について紹介。「七海ひろき物語」として作詞をしたというこの曲でオーディエンスと振りの練習をし、さらにこの日の「RUN」のペンライトの色を決めることに。会場の声に耳を傾ける七海から「白にしまーす!」と発表もあり、本題のアルバム収録の新曲コーナーへ。まずは「Micro Universe」。歌うようなベースラインと唸りを上げるギターが力強いピアノの音と共に駆け上がるアッパーチューンで、ペンライトがカラフルに会場を染める。熱く力強いロックンロールが『DAYLIGHT』の持つ“夜明け”というカラーを強く感じさせた。続く「Starting Over」もパワフルなビートが聴く者を席捲していく1曲。歌声に導かれるように高く上げられた拳。強いメッセージで綴られたドラマチックでエモーショナルな1曲は会場に熱風を巻き起こしていく。そして「RUN」。「一緒にいくよ!」と歌い出す七海に「Hey!!」と大合唱が重なる。白一色に染められたフロアが大きな熱の塊となり、その一体感熱気で包んでいった。「歌詞がこれまでの自分のことというのもあったので、ちょっと感慨深く思いながら、みんなとこの時間を最高に楽しもうと思って歌った!」と笑顔を見せた七海だった。



ツアー“DAYLIGHT”は、七海の未来が幕を開けるライブ



このあとをさらに盛り上げるためにも、と会場1階、2階、そして配信で鑑賞中のファンの全員でのコール&レスポンスで会場の想いを1つにしたところで、ライブは「ポラリス」へ。「心を込めて歌いたいと思います」と告げると、ステージ中央に置かれたハイチェアに腰掛け、静かに響き出したピアノの音に歌声を重ねる七海。言葉を差し出すように歌声を紡ぐ姿が印象的な1曲だ。思い馳せるようなナンバーを迎え入れるフロアは静謐な空気に包まれ、歌声が会場を包み込んでいった。静けさの中の、切なさ滲む1曲のあとに歌われたのは人間味あるアップテンポのナンバー「アルデンテ」。軽やかなビートとホーンの音も響く軽快ロックンロールでどこかオールドスクール的なこの曲は、人間らしい生々しさのある歌とライブ感あるバンドサウンドで聴かせることで、会場の空気をガラリと一変させた。バンドによるジャムセッションのコーナーを挟み、再びステージへと登場した七海は黒のコート姿に。アルバム『DAYLIGHT』のリード曲である「Giovanni」が響き出した。



ステージでひときわ高い場所に立つ七海をぐるりと光の柱が囲む。まるで鳥かごの中にいるかのような七海が歌い上げる、「銀河鉄道の夜」の世界観。七海の音楽という色彩の中で見るジョバンニの想いは、ムードあるジャズロックスタイルの1曲へと昇華される。雰囲気たっぷりに艶ある歌声を響かせると、続けてライブは大人なジャズナンバー「Ambition」へ。七海ひろきの音楽の幅の広さを感じさせるこの曲は、歌いながらバンドへと視線を走らせる七海とバンドとのぴたりと合うような呼吸感が印象的だった。



大歓声と大きな拍手に包まれたあとにはノスタルジックなジャズナンバー「花に嵐」だ。ストーリーテラー的なボーカルで美しくも儚い愛の物語の歌をうたい上げる七海の動きに合わせるようにペンライトの光が揺れ、クラップの音も重なっていった。



「私たちの心が通じ合っているのを感じるね!」と笑みを浮かべる七海に盛大な拍手が送られる。衣装が変わったことを告げ、再びくるりと回ってみせる七海。衣装の気に入っている部分のことなどを語り聞かせると、「かっこいい!」「素敵!」と声が湧く。マイクを改めて握り直し「次がラストの曲です」と告げる七海に「嫌だー!」と大きな声が上がる。「私も嫌だー!」と応えてしまうのが七海の素直なところだろう。そんな七海が最後に歌ったのは「大切な曲になりました」と話す「It’s My Soul」。七海にとって初めてのアニメ主題歌であるこの曲。すごく大好きな作品で主題歌ができたことは忘れられないし、そんな機会を与えられたのも応援してくれるオーディエンスのおかげだ、という。その「It’s My Soul」が始まると会場の熱気は急上昇。ラウドでヘビーな疾風ロックンロールで灼熱のボーカルを響かせる七海に応えるオーディエンスの熱気。熱と熱とのぶつかり合いは旋風となって会場を席捲していった。



エンドロールのVTRが流れ、「また会おうね。ありがとう!!」という七海の直筆メッセージが映し出された会場ながら、もちろん「アンコール」の声は止まない。七海の登場を信じて声を上げ続ける客席に、真夏を思わせるサンバのリズムが響き、七海が再度ステージに登場!まだまだ夏隆盛ではないかと感じさせるこの日の気温にぴったりな「Special summer」が流れ出すと、Tシャツ姿にタオルを手にしてフロアを練り歩くようにしてファンのところまで行き、ファンも歓喜の声を上げた。ステージへと戻った七海はニューアルバム『DAYLIGHT』からタイトル曲である「DAYLIGHT」を聴かせ、ツアーファイナル公演の幕を閉じた。夜明けを感じさせる1曲が最後を飾るということは、このライブが次の七海ひろきの音楽の“夜明け”を意味するということなのだろう。光が差し込む夜明けのシーンが浮かぶ、鼓動が逸る感覚と幕明けに相応しい伸びやかな歌声とで紡いだ「DAYLIGHT」は、この日のライブを目撃したファンの心に新たな火を灯したはず。「また会おう」。そんな約束にも似たラストチューンだった。



<セットリスト>

Overture

M01. 林檎の花

M002. START!!

M03. HEART BEAT (七海ひろき Solo ver.)

M04. FATE

M05. もう一度…

M06. Micro Universe

M07. Starting Over

M08. RUN

M09. ポラリス

M10. アルデンテ

M11. Giovanni

M12. Ambition

M13. 花に嵐

M14. It’s My Soul

―Encore―

En1. Special summer

En2. DAYLIGHT

●リリース情報

2nd Album

『DAYLIGHT』

10月18日発売

【初回限定盤】

品番:KICS-94123

価格:¥6,050(税込)

形態:CD+Blu-ray

【通常盤】

品番:KICS-4123

定価:¥3,190(税込)

形態:CD

【7seas+ファンクラブ限定盤】

・「DAYLIGHT」《初回限定盤》

・FCグッズ:ブロマイドフォルダ&ブロマイド4枚セット

価格:¥8,250(税込)

※CDは市販商品と同一内容となります。

※グッズの絵柄については後日発表となります。

※7seas+ファンクラブ限定盤の詳細・ご注文は、7seas+へログイン後「GOODS」よりご確認ください。

<CD>

1. Giovanni

作詞:七海ひろき 作曲:3rd Productions 編曲:REO

2. It’s My Soul

作詞・作曲・編曲:本田正樹 (Dream Monster)

3. Starting Over

作詞:空谷泉身 作曲:kani 編曲:高橋浩一郎

4. 林檎の花

作詞:早川博隆, Shogo (Rebrast) 作曲:早川博隆, Shogo, Tsubasa (Rebrast) 編曲:Tsubasa (Rebrast)

5. Micro Universe

作詞:青輝波美賀 作曲:平間光 編曲:shirosagi

6. HEART BEAT (七海ひろき Solo ver.)

作詞:MORISHIN, 3rd Productions 作曲:3rd Productions 編曲:REO

7. FATE

作詞・作曲・編曲:藤田卓也(ZAZA inc)

8. アルデンテ

作詞:七海ひろき 作曲・編曲:ENPITU (Rebrast)

9. RUN

作詞:七海ひろき 作曲・編曲:Wiggy (Vanir)

10. DAYLIGHT

作詞:七海ひろき 作曲・編曲:高橋浩一郎

<Blu-ray>

・「Giovanni」 Music Video

・「Giovanni」 Behind The Scenes

・「It’s My Soul」 Music Video

・「林檎の花」 Special Promotion Movie

・「FATE」 Special Promotion Movie

・七海ひろき お化け屋敷スタイリッシュ突破?!

関連リンク



七海ひろき 公式サイト

https://hiroki773.com/

七海ひろき 公式X(旧Twitter)

https://twitter.com/hirokinanami773

七海ひろき 公式YouTube

https://www.youtube.com/c/nanamihiroki