元祖筋肉アイドル&管理栄養士の水野裕子が実践する「40代から健康美ボディを維持する」メソッド
水野裕子 インタビュー中編(全3回)
2000年代のスポーツ系番組をいろどった"元祖筋肉アイドル"の水野裕子さんも今年で41歳。「芸能界No.1女子アスリート」と呼ばれていた20代の頃とはトレーニング方法や体の付き合い方も変化しているそう。今回は、健康美が印象的な彼女にそのメソッドを聞いた。
40代を迎えてトレーニング方法が変わってきたという水野裕子さん
ーースポーツ特番で活躍していた20代はどのようなトレーニングをしていましたか?
私はもともと専門的なトレーニングではなくて、子どもの頃に田舎を駆け回ってつくり上げた体だという自覚があったから、マシントレーニングで局所的に強い負荷をかけるのは少し違和感があったんです。
ーー自重トレーニングは何の種目を?
腕立て伏せはあまりやりませんでしたが、腹筋、背筋、スクワットなどの基本的なトレーニングを日によってメニューを変えながら30回1セットとして数セット。加えて、ジョギングは毎日1時間を目安に走っていました。
出演していた『マッスルミュージカル』(※筋肉・スポーツをテーマとした舞台)の公演日はかなりハードで、家に帰って体を動かせなかったです。その舞台はすごい運動量で1日4000kcalをとってもやせちゃうくらい。1日に2公演ある日なんて死ぬかと思いましたよ......。
スポーツ番組や舞台などで活躍していた20代の頃の水野さん 写真/事務所提供
【40歳でヘルニア手術「体をつくり直す機会」】
ーー水野さんの場合、仕事自体がトレーニングになっている側面も大いにありそうですね。現在41歳となり、トレーニング内容に変化は?
じつは去年、腰椎椎間板ヘルニアを発症して入院と手術をしました。若い頃はもともとのポテンシャルというか、自然な動きのなかで体をつくっていたから、トレーニングがおろそかになっていた部位と鍛えられた部位のバランスが年齢を重ねるごとに悪くなって、体の歪みになっていたのかなと。
なので、体のアンバランスさを解消するために、手術後はリハビリだけじゃなく、ピラティスをトレーニングの一環として取り入れるようになりました。
最近はピラティスに取り組んでいる
ーーピラティスとはどのようなエクササイズなのでしょう?
日本だと女性を中心に流行っているため、ヨガのように心を整えるためにやっていると思われがち。でも、ピラティスってもともとは戦争の負傷兵のリハビリとして始まった歴史があるので、医学的であり機能的で体幹や深層部の体の使い方が効率化できるエクササイズなんですよ。
いつかはピラティスをやってみたいと思ってたところにヘルニアになってしまったので、体をつくり直すいい機会かなと思い始めました。1回2時間、週2回ほど教室に通って、自分の体ってこんなに歪んでたんだと気づかされました。
ーーピラティスで実際どのような効果が?
私が40代に近づく頃から感じるようになった体の歪みやズレ。ピラティスでそれを整えているんです。
若い時のトレーニングが体を動かして新しいパーツをつけていくような感覚だとしたら、ピラティスは機械で言ったらネジを締め直す、オイルをさすという日々のメンテナンスに近いイメージです。年齢を重ねた状態で昔やっていた、新しいパーツをつけるトレーニングだけやっても、不具合が起きると思うんです。
インタビューで過去と現在のトレーニングについて語った
ーー衰えを受け入れ、向き合う意識ですね。
つまずきやすくなったり、若い頃にできていた動きができなくなった時、やっぱり最初は受け入れるのが難しかったですね。ただ、よくも悪くも年齢を重ねて、あれが食べたい、これがやりたいという衝動もゆるやかになってきてます。
その分、メンタル的にもそういう細やかなところにも目を向けやすくなったので、そこまで衰えを受け入れることに抵抗はありませんでした。
ーーその他、体形を維持するのにおすすめのトレーニングはありますか?
フラフープですね。筋肉と脂肪ってトレードオフされるものではないから、腹筋がついてもお腹の脂肪が減るとは限らないんです。でも、フラフープは自然とお腹に力が入るし、物理的に刺激が加えられるのでやせやすい。
プラスチック製のキャンディフープじゃなくて、フィットネス用の商品が比較的安く手に入るのでおすすめです。プラスチックよりも重いけど、遠心力があるから難しくないですし、場所もとりません。
ーー2019年には管理栄養士の資格を取得しています。食生活面で体形をキープするコツは?
そんなに特別なことはしていません。朝食は絶対食べるのと、夜は8時過ぎたら食べない。
おすすめメニューは根菜ときのこのスープ。ダイコン、ニンジン、ゴボウ、シメジ、マイタケ、エリンギ、シイタケ、エノキをひと鍋に入れます。味つけはしょうがのみじん切り、がごめ昆布、だしパックをやぶいてドサっと入れるだけ。糖質がほしければレンコン、脂質がほしければ油揚げ、肉がほしければ鶏のささみを入れたりしますね。
ダイエットをしたいなら摂取カロリーを減らせば絶対にやせる。でも、カロリーが少なければすぐにお腹が空いてしまう。このスープはヘルシーなのに満腹感があっていいですよ。私はこれを大きな鍋につくっておいて、毎食小丼に1杯入れて食べてます。
ーー今後50〜60代に向けて、体づくりにおいてどのようなことを意識していきますか?
一番は維持し続けること。私が20代だった頃に比べると、今は世間の体づくりに関する見方が変わってますよね。アスリートじゃない人でも体づくりの重要性は認知されている。
ただ最近はトレーニングや食事について情報が溢れすぎているとも思います。スポーツの仕事をしてきて、栄養を勉強した身としては、まだどういった形かはわからないけど、ストイックすぎない、専門的すぎない健康的な体のつくり方を普遍的なものとして広めていけたらと考えています。
引き締まったボディを維持している 写真/事務所提供
ーー後編では、水野さんのバスケットボール愛について聞いていきます。
後編<水野裕子のバスケットボール人生...スパルタな部活時代、男子W杯のフィンランド戦は「嗚咽するくらい泣きました」>を読む
前編<水野裕子「芸能界No.1女子アスリートの肩書きは重かった」 完全制覇を逃した『KUNOICHI』は「今も夢に見る」>を読む
【プロフィール】
水野裕子 みずの・ゆうこ
1982年3月8日、愛知県生まれ。1998年、SONYのキャンペーンオーディションに合格し、芸能界デビュー。『王様のブランチ』(TBS系)など数々のテレビ番組で活躍。2000年代に「クイーンズチャレンジバトル」や「KUNOICHI」などのスポーツ企画に挑戦し、「芸能界No.1女子アスリート」の異名をとる。2019年に修文大学健康栄養学部管理栄養学科を卒業し、同年、管理栄養士の資格取得。『THEフィッシング』(TX/TVO)、『NBAマガジン』(NHK)など、バスケットボールや釣り関連の番組・雑誌でも活躍している。