今週のテーマは「条件がいい男性でもなぜ女性は嫌になったのか」。さて、その答えとは?

▶【Q】はこちら:これってもう脈ナシ?その場で答えず「予定が分かり次第連絡します」と女が言うときの心理は?




丈二郎との初デートで、私はひとつ学んだことがある。

「友美ちゃん、次はいつ空いてる?さっき話していた中目黒のレストランなんだけどさ…」

帰り際、次のデートに誘われたものの、返答に困ってしまった。

「丈二郎さんごめんなさい。今手元に手帳がなくて、予定が分かり次第連絡…という感じでもいいですか?」

もちろん、手帳なんて持っていないしスケジュールはスマホのアプリで管理している。

でも彼は大人なので、わかっていながらも笑顔で返してくれる。

「うん、もちろん」

こういうところは大人だと思う。さり気なくこちらの気持ちを察してくれ、それ以上は迫ってこない。余裕もあるしガツガツもしていない。

優しくて金銭的余裕もあって、育ちも良くて、実家は世田谷の一等地。

これだけ聞いたら完璧なはずなのに、どうしても私は彼に惹かれなかった。

たった一度の食事で、「この人とは違うかな」と思ったのにはちゃんと理由があった。


A1:こだわり強めな感じが垣間見えた


丈二郎と出会ったのは、友達が誘ってくれた食事会だった。

「ちょっと年上だけど、独身で今彼女募集中らしい」。事前に友達からそう聞いていたので、少し期待をして参加した。

実際に会うと男性二人はいい人そうで、話も弾む。

「僕と修は小学校からの友達で。九段下にある学校なんだけど」

場所だけで、私は大体どこの学校か見当がついた。

「そうなんですか?すごいですね。仕事も一緒なんですか?」
「まさかまさか。僕は出版社で、修は代理店だよ。二人はいつからの友達なの?」
「私たちは大学からです」

そこからもほのぼのとした空気で食事会は進んでいく。でも会話が進むにつれて、丈二郎のリアルな人柄がだんだんと見えてきた。




4人で盛り上がっている最中、普段の出没エリアの話になったときのことだった。

「友美ちゃんは、普段どの辺で遊んでるの?」
「うーん。六本木とかその辺りが多いですね」
「え…友美ちゃんって、まさかの港区女子?(笑)」

あまりにも怪訝そうな表情の丈二郎に、私は少し驚いてしまった。

― え?そこまで?(笑)

「私ですか?全然違いますよ〜!職場が六本木なんです」

仕事終わりに飲みに行くことが多いので、必然的に港区は多い。それを言うと丈二郎は安堵している。

「なんだ、良かった」
「お嫌いなんですか?そういう感じの女子が」
「うん。派手に遊び回っている子とか、自立していない子はダメかな。普通に考えて、男性のお金で遊ぶような子って嫌じゃない?」




言いたいことはわかる。

たしかに頑張って稼いだお金を好き勝手に使われるのは嫌だろうし、もちろん自立している子のほうがいいに決まっている。

だからこの時は、丈二郎の意見に賛同できた。

「それはそうですよね」
「そういえば、友美ちゃんってお仕事は何をしているの?」
「私は弁護士事務所で秘書をしています」

そんな会話を経て、この日の解散間際には丈二郎のほうからデートに誘ってくれた。

「友美ちゃん、よければ今度二人でご飯行かない?」
「はい、もちろん」

でも一度食事をしてゆっくり話を聞いているうちに、私は「この人とはないな」と判断した。


A2:「女子アナが好き」とか言われたら冷める


二人での食事に丈二郎が予約してくれていたのは、青山にある『アントニオ』だった。




「ここのお店、有名ですよね!来てみたかったんです〜」
「この店、昔から好きで。実は両親も好きだから、よく一緒に来るんだよね」

育ちが良さそうだなとは思っていたけれど、やっぱりそうだった。

「さすがブルジョワ…。丈二郎さん東京ご出身ですもんね。東京のどこなんですか?」
「僕は世田谷のほうだよ。友美ちゃんはどこだっけ?」
「私は名古屋です」
「名古屋なんだ」
「丈二郎さんって、本当に『東京のいいところで育った感』が溢れ出てますよね」
「そんなことないよ!」

きっと両親に大事に育てられてきたのだろう。丈二郎がまっすぐでピュアな理由がなんとなくわかった。

でもそのピュアさが、40歳独身の彼の仇になっている気もしてきた。




「友美ちゃんは、何でこんな可愛いのに彼氏がいないの?」
「え〜何ででしょう…。丈二郎さんは?今どなたかいらっしゃるんですか?」
「僕?いないよ!結婚もしたことないし。戸籍はピカピカに綺麗だよ(笑)」
「はは。そうなんですね」

別に離婚していたっていい。「戸籍が綺麗」なんて、まるでバツイチがダメかと言っているようにも聞こえてしまう。

「でも丈二郎さんみたいな育ちだと、親御さんとか結婚する相手に対して厳しくないんですか?」
「僕の家はまったく。そこまでの家柄でもないし、基本的に何でもOKだよ」

家柄は良いけれど厳しくはなさそうだ。でもそんなことより、次の発言で思わず失笑しそうになった。

「ただ結婚願望はあるんだけどね。友美ちゃんはどういう男性が好きなの?」
「私は優しくて包容力のある人です。丈二郎さんは?」
「僕は清楚で品がある人かな。育ちが良い人が好き。その点でいうと女子アナとかいいよね」

― 女子アナですか…。

「女子アナか〜。男性はみんな好きですよね」

女子アナ好きな男性は多い。だがそれは別にいい。

でも40歳にもなって、デート中の相手に対して堂々と「女子アナが好き」と言う丈二郎は、現実が見えていないのではないか。

そもそも「女子アナが好き」と言う男性に、女性は警戒する。清楚系が好きならば、そもそも食事会で相手を探そうとしている時点で間違っていると思う。

「でもお仕事的に、丈二郎さんはそういった方々との出会いとかありそうですけど」
「あるけど、仕事で一緒になった人は対象外かな。あとみんな実際に会うと、意外に普通の子たちだよ。女優さんとかも含めて」

上から目線なのが気になった。そもそも、どうして自分がそういう人たちを“選ぶ立場”側にいると思っているのだろう。

「女優さん!誰に会ったことあるんですか?」

拗らせアラフォーだと悟ったので、そこから話を盛り上げる。すると丈二郎は、嬉しそうに今まで仕事をしてきた芸能人の名前を羅列し始めた。

「丈二郎さんって本当にすごいですね!」

20代の時ならまだわかるけれど、いい大人になって「芸能人の誰々に会った」とか自慢することになんの意味があるのだろうか。

自慢をすればするほど、どんどんダサく見えてしまうのに…。

「いやいや、全然だよ」
「でもかなり目が肥えてそう」
「まぁ人よりは肥えているかもね…。でも交際するなら意外にSNSとかやっていない人もいいかなと」

― 条件多くない…?

仮に、丈二郎が上場したIT企業の社長だとしよう。それならば好き勝手言っても、素敵な有名人がいっぱい寄ってくる。

申し訳ないけれど、普通のサラリーマンでいまだにそんな高望みをしている丈二郎は、ただ理想だけが高くなってしまった面倒なアラフォーだ。

「友美ちゃんって面白いね」
「丈二郎さんのほうこそ」

決して悪い人ではないし、純粋でいい人だと思う。でも私とは合わなさそうなので、もういいかなと思った。

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▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟

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