「シーズン6」のスタートに合わせてSteamでも配信が開始された基本プレイ無料のFPSゲーム「オーバーウォッチ 2」は、リリースからわずか4日で12万件ものレビューが集まり、「圧倒的に不評」というSteamにおける最低の評価を記録しています。こうした低評価レビューの割合は非常に大きく、ユーザーレビューをもとにSteamのさまざまなランキングを作成する「Steam250」の記録から、「オーバーウォッチ 2」はSteamの全ゲームの中で最も評判の悪いゲームになっていることが明らかになりました。

Overwatch 2 is the worst game on Steam, according to user reviews | TechSpot

https://www.techspot.com/news/99766-overwatch-2-worst-game-steam-according-user-reviews.html

前作「オーバーウォッチ」のマップやゲームモードに手を加えて心機一転リリースされた「オーバーウォッチ 2」がシーズン6を迎え、リリース前から大々的に宣伝されていた本格的なPvEモードがついに導入されました。このシーズンに合わせてこれまでBattle.net経由のみでの配信だった本作のPC版がSteamでも配信されるようになったのですが、記事作成時点で12万1586件のレビューのうち好評価はわずか9%と低く、その総合評価は「圧倒的に不評」となっています。



Steam250の記録からは、「オーバーウォッチ 2」が「史上最悪のSteamゲームランキング」で1位となっていることが分かります。



Steamレビューのほとんどはコンテンツ不足や強すぎるヒーロー、コミュニティ、バグ、積極的なマネタイズ方針に向けられており、中には「オーバーウォッチを作っている人たちよりもオーバーウォッチのポルノを作っている人たちの方が一生懸命働いている」との声も。

「オーバーウォッチ 2」は前作の6人対6人から5人対5人へとゲームスタイルが大きく変わっており、前作に慣れたプレイヤーの一部からは「前作のダウングレード版だ」などのスタイル変更に批判的な声も寄せられています。さらに「オーバーウォッチ 2」の主軸として準備されていた、スキルツリー制を導入したPvEモードが廃止されたこと、PvEモード「ストーリー任務」が有料になると発表され、批判を受けつつそのまま導入されたことなども低評価レビューを招く原因となっていました。

開発元のBlizzard Entertainmentが採る積極的なマネタイズ方針に関してはたびたびユーザーの議論の的となっており、過去には同社が手がけた基本プレイ無料のスマートフォンゲーム「ディアブロ イモータル」がレビューサイトのMetacriticでBlizzard Entertainment史上最低のユーザースコアを獲得する事態に発展しています。

キャラ完全強化に1400万円超の課金が必要な「ディアブロ イモータル」がBlizzard史上最低のユーザースコアを獲得してしまう - GIGAZINE



とはいえ、基本プレイ無料タイトルを維持していくにはスキン等の有料コンテンツ販売で収益を確保する必要があり、Blizzard Entertainmentのマネタイズ戦略が一概に不適切であるとはいえないのも事実。否定的な意見にもかかわらずSteam上で「オーバーウォッチ 2」をプレイしている人は多く、SteamDBのランキングでは「Trending Games(トレンド)」「Popular Releases(人気リリース)」の2項目で同作が1位を獲得しており、記事作成時点でのSteam上でのプレイヤー数は2万7640人となっています。



低評価レビューの多さには、中国のゲーム企業・NetEaseとBlizzard Entertainmentのライセンス契約が切れたことにも原因があるとする分析も打ち出されています。2023年1月、左記の2社が契約を切ったことで「オーバーウォッチ 2」を含むBlizzard Entertainmentのゲームが中国でプレイできなくなり、中国人ゲーマーの不満を最大まで高めることになりました。同作がSteamで配信されたことで中国人ゲーマーが再び戻り、これまでの不満を一気に爆発させたのではないかと、ゲーム市場を分析するDaniel Ahmad氏は指摘しています。実際にSteamレビューのうちおよそ3分の2が中国語のもので、国内サーバーが開設されないことや、コミュニティを批判するレビューが投稿されているとのこと。





ただし、中国語を除いた4万件近くのレビューでもおよそ80%が否定的なものであり、世界的に「圧倒的に不評」であることは間違いないようです。