「ガス欠」だと反則金9000円!? 「給油したいけどできない」高速道路に潜むワナ“GS空白区間”とは
早めの給油が大事
夏休みは帰省や行楽などで長距離のドライブをする人が増えますが、そのような時に気を付けたいのが「ガス欠」です。
特に高速道路で長い渋滞にはまった時や普段使わないルートを通る際、給油が必要になってもすぐガソリンスタンドがあるとは限りません。どのような点に気を付ければ良いのでしょうか。
高速道路では、100km以上にわたりガソリンスタンドがない区間が増えています。SAがあるからといって、必ず給油所(ガソリンスタンド)が設置されているとは限りません。
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高速道路でガス欠を起こすと、道路交通法第75条の10第1項「自動車の運転者の遵守事項」の違反に該当する可能性があります。
条文では、高速道路(高速自動車国道)や自動車専用道路を走ろうとするときは、燃料、冷却水、エンジンオイルの量、貨物の積載状態を前もって点検し、途中でガス欠などにより走れなくなったり貨物が転落・飛散したりする事態を防ぐ措置を講じなければならないことが示されています。
違反した場合、違反点数2点、普通車で反則金9000円が科されます。
また刑罰として、道路交通法第119条第1項第12の3号により、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金が科される可能性もあります。
しかし問題は交通違反だけでなく、危険が伴うということです。
もし、高速道路を走っていてガス欠の事態に陥ったら、どうすれば良いのでしょうか。
警察庁は、クルマが動かせる場合は可能な限り、SAやPAなどの安全な場所まで移動させることや、やむを得ず高速道路の車道や路肩、非常駐車帯に停止する場合は、「路上に立たない」「車内に残らない」「安全な場所に避難する」と高速道路の緊急時の3原則の措置を徹底するよう呼び掛けています。
本線上でクルマを停止させるときは、後続車に注意しつつ徐々に道路の左にクルマを寄せます。
停止した後は、追突を防ぐためハザードランプをつけ、同乗者をガードレールの外など安全な場所に避難させます。
そして発煙筒や三角表示板をクルマの後方に置き、運転手も安全な場所に速やかに避難したあと、非常電話や携帯電話で救援を依頼します。
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高速道路では、長距離にわたってガソリンスタンドがない「空白区間」が存在します。
例えば北海道の道東道は、由仁PAから終点の足寄ICや阿寒ICまでの約170km以上にわたりガソリンスタンドがありません。
北陸道の南条SAや賤ヶ岳SAから舞鶴若狭道の西紀SAまでの約160kmも、ガソリンスタンドの空白区間です。
こういったケースは「交通量の少ない地方だから」と思うかもしれませんが、クルマの多い圏央道の菖蒲PAから東名高速の足柄SAまでの約140kmも、東京都を通過しながら給油ができない区間として存在します。
では、ガソリンスタンドがあるから大丈夫かというと、そうとは限りません。
例えば香川県から瀬戸大橋を渡って鳥取県へ向かう時、途中の岡山道・高梁SAにはガゾリンスタンドがありますが、営業時間は朝8時から夜19時までです。
もし夜間にここを通過する場合は、高松道の津田の松原SAから米子道の蒜山高原SAまでの約180kmにわたり、ガソリンスタンドがない状況になります。
津田の松原SAや蒜山高原SAも営業時間外なら、さらに給油なしで走らねばなりません。
このように、地方でも都市部でも、そして時間帯によりガソリンスタンドの空白区間が全国各地に存在します。
ガソリン価格の高騰が続いており、「少しでも安い店で」と給油を後回しにしたくなるかもしれませんが、ガス欠のリスクを避けるためにもなるべく早めの給油を心掛ける方が無難でしょう。
もしくは、ガソリンが減ってきたら次の給油所まで粘らず、最寄りのICで高速をいったん降りて一般道のガソリンスタンドで給油したほうが良いかもしれません。