「ムルカット」って?

「ムルカット」とは寺院や沐浴場で聖なる水を浴びて、心身を浄化する沐浴のこと。バリ・ヒンドゥー教を信仰する人々にとっては寺院参拝の一部で、老若男女に古くから親しまれています。満月や新月の日は月のエネルギーをもらうために、ムルカットをする人が特に多いそう。

スピリチュアルスポット「スバトゥの滝」

バリ島内でムルカットができる場所は、不老不死の聖なる泉がある「ティルタ・ウンプル寺院」が有名ですが、いつも混雑しているのが少々難点。今回沐浴体験をした「スバトゥの滝」はウブドの中心エリアから車で約40分、深い渓谷の奥にある寺院の敷地内にあります。
ここは古くから地元の人に大切にされてきた場所で、静かで神秘的な雰囲気が魅力です。地元の若者も沢山訪れていました。

お寺に入る際にはサロン(腰巻)やスレンダン(腰帯)を身につけます。女性の場合、上半身はTシャツで下に水着を着ることがおすすめ。着替えやタオルも持参しましょう。サロンやスレンダンは寺院周辺で販売していますが、ツアーでは事前に用意してくれます。また、生理中の人は寺院の敷地内に入ることができないので気を付けましょう。

「スバトゥの滝」での参拝手順

まずは入口を守る親子である二体の神様に挨拶をします。写真は、向かって右側にいる子供の「ムルダ」。お供え物の「チャナン」を捧げて門守神に自分の訪問を告げます。

色鮮やかなお供え物の「チャナン」。ヤシやバナナの葉から作られた器に、花やお菓子を盛り付けたバリ島の日常的なお供え物です。線香と一緒に供えて聖水で清めます。

滝へは長い階段を降りていきます。深緑を進むと、水の流れる音が聞こえきて神秘的な雰囲気を感じます。

滝に向かう参道の途中には神像や祠が点在しています。それぞれの場所でお清めをして、作法に則ってお祈りをしていきます。

お祈りの時に持つのは、中国の古銭をバナナの葉で巻いた「クワンゲン」。丸いコインの「ケペン」には穴が空いている小銭を使います。

長い参道を下りきっていよいよスバトゥの滝に到着!滝つぼに入る際は靴を脱いで、冷たい水の中に入っていきます。川床は石だらけで滑りやすいので、足元には注意が必要です。男性はムルカットの際、上半身は裸になります。髪の毛を結んでいる場合は、ゴムやピンを外してから入りましょう。

ガイドさんをお手本にしながら、滝へと向かっていきます。初めての経験に緊張が隠し切れません。滝は2本あり、手前から順番に滝の中に入っていきます。

無心で滝に打たれます。前向き、後ろ向きで神様と自然に感謝をしながら手を合わせます。滝に打たれる時間はおよそ1分。かなりの水圧にはじめはびっくりしますが、だんだんとひんやりとした水が気持ちよくなり、水の中から出たくなくなるほど、やみつきになります。

「スバトゥの滝」は身体の悪い部分を癒し、浄化効果が特に高いといわれています。身体の中に悪いものがあると、その人から流れ落ちる水の色が黒く濁るなど、人それぞれに変化があるそう。最終的に浄化されると、水は綺麗な白色に変わるそうです。

滝に打たれた後は、この場所に呼んでもらえたことに感謝をして、神様に手を合わせましょう。
実際に体験してみると、慌ただしい日常を忘れるほど心が解放されて、スッキリした気分に!帰りは長い階段を登っていきますが、足取りが軽く、疲れをほとんど感じませんでした。地元のルールや手順を守って、心身ともに浄化される爽快感を体験してみてください!
■Sebatu(スバトゥの滝)
住所:Sebatu, Tegallalang
TEL:なし
営業時間:8〜17時
定休日:無休
料金:Rp.2万

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Text:石塚あみ
Photo:北原俊寛
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