調整中のテラメリタ(写真奥の水色帽、5月24日撮影:井内利彰)

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 すっかり定着した「ダービーからダービーへ」。2020年生まれ、関西圏での最初の新馬戦は中京芝1600mだったが、そこを勝ったのは当時の新種牡馬、サトノダイヤモンド産駒のダイヤモンドハンズ(栗東・池江泰寿厩舎)。その後は札幌2歳Sへ出走して3着と重賞でもいいところを見せていた。後に骨折が判明して、長期休養していたが、この阪神開催の1勝クラスで復帰予定とのこと。

 というわけで、今年も新種牡馬の活躍には注目。下記でも紹介したテラメリタはブリックスアンドモルタル産駒。ひょっとしたら、今年も最初の新馬戦を新種牡馬が勝つ、なんてシーンがあっても不思議ではない。

【6月3日(土) 阪神芝1600m】

◆テラメリタ(牝、父ブリックスアンドモルタル、母テラノヴァ、栗東・須貝尚介厩舎)

 母テラノヴァは同厩舎で管理され、芝で4勝を挙げている。祖母はエアトゥーレなので、おじには今年のサウジアラビアでレッドシーターフハンデキャップを勝ったシルヴァーソニック(父オルフェーヴル)がいる血統にあたる。

 本馬は3月15日に山元トレセンから栗東へ入厩。ゲート試験に合格すると、4月5日には坂路で4F54.6秒をマーク。追い切りを1本消化したタイミングで放牧に出て、再び5月から本格始動。先週のCWではレースでも騎乗予定のC.ルメール騎手が跨り、2歳新馬と併せて絶好の手応えで先着。目立って速い時計は出ていないものの、追い切り本数は十分といった形での出走となりそうだ。

◆デルマアートマン(牡、父オルフェーヴル、母オータムフラワー、栗東・友道康夫厩舎)

 本馬は2022年セレクトセール1歳にて、3300万円(税抜)で落札されている。母父Flower Alleyはきょうだいが天皇賞秋を勝ったスピルバーグやマイルCSを勝ったトーセンラー(父はともにディープインパクト)ということで、日本にも馴染みのある血。

 4月21日に山元トレセンから栗東へ入厩。ゲート試験合格後も在厩して調整を続けているが「入厩した当初は課題も多かったけど、環境にも慣れて、馬は良くなってきましたよ」と友道康夫調教師。先週のDコース、芝馬場で武豊騎手(レースでも騎乗予定)が跨った3頭併せでは少し見劣る動きになってしまったが、このひと追いで最終追い切りがどこまで変わってくるか注目。

◆カズヴィトシャ(牡、父ルーラーシップ、母ボンジュールココロ、栗東・高柳大輔厩舎)

 半姉に芝中距離で2勝を挙げているコーディアル(父エピファネイア)がいて、本馬は2021年セレクトセール当歳にて、7400万円(税抜)で落札されている。

 3月の時点でゲート試験に合格、その後に追い切りも消化して一旦放牧。そして、帰厩してからも順調に追い切りを進めており、先週はレースでも騎乗予定の川田将雅騎手が跨って、CWでの併せ馬。古馬3勝クラスを追走したが、ほぼ同入でのゴール。時計は6F82.8秒、ラストは11.6秒。坂路でもある程度の時計では動けており、いわゆる水準以上という内容がトラックでも坂路でも消化できている。

【6月4日(日) 阪神芝1400m】

◆ハヤブサソンタクン(牡、父モーリス、母ギンザヴィクトリア、栗東・寺島良厩舎)

 母系には中山芝1200mのOP特別、カーバンクルSを勝ったレジェーロ(父キズナ)や芝中距離で4勝を挙げたウインガナドル(父ステイゴールド)など、いろんなタイプがいる。

 本馬に関しては「脚捌きが軽くて、スピードがありそうなタイプ。少し気持ちが前向きすぎるところもあるかなと思います」と寺島良調教師。先週はDコースの芝馬場で川又賢治騎手(レースは吉田隼人騎手が騎乗予定)が跨り、3歳未勝利と併せて少し遅れてしまったが、5Fは63.9秒。スピードある動きは見せているし、相手が動きすぎたという印象。調教での動きに関してはいかにも初戦向きというタイプだけに、あとは落ち着いて競馬に向かうことができるかどうかだろう。

(取材・文:井内利彰)