【海外発!Breaking News】14歳から日焼け用ベッド使用で耳切除、がん全身転移の45歳女性「病気の耳を見て!」と訴え死亡(英)
英グレーター・マンチェスター州ウィガン在住のアンシア・スミスさん(Anthea Smith)は2021年8月、夫と2人の息子を遺して45歳の短い生涯を閉じた。アンシアさんは14歳で始めた日焼けがきっかけで皮膚がんの一種「メラノーマ」を発症、がんが全身に転移していた。このたび夫ステイさん(Ste)がアンシアさんの病気の経過、そして最後の望みについて語り、日焼け用ベッドの全面禁止を訴えた。英ニュースメディア『The Sun』などが伝えている。
【この記事の他の写真を見る】
「日焼け用ベッドを全面禁止にして欲しい。もしそれがすぐにできないのであれば、病気で黒く変色し出血した私の耳の写真を全ての日焼けサロンのドアに貼って欲しい。私や家族が苦しんできたことを、他の誰にも味わって欲しくないから…。」
そんな望みを家族に託したアンシア・スミスさんは、2021年8月8日に亡くなった。アンシアさんが日焼け用ベッドの使用を始めたのは14歳の時で、ビューティサロンの手伝いをする代わりにご褒美として週に2〜4回、30分ほど肌を焼いていたという。
アンシアさんが夫のステイさんと知り合ったのは18歳の時で、その後美容師兼ビューティセラピストとして働き始めたアンシアさんは、息子ハリーさん(Harry、23)とロビーさん(Robbie、21)が誕生後も日焼け用ベッドの使用を続けた。
ステイさんは当時のことを「アンシアは小麦色の肌が大好きでね。肌を焼くことで健康だと感じているようだった。でも日焼け用ベッドの使用は、彼女の体を少しずつ蝕んでいった。それを見ているのは本当につらかった」と明かす。
アンシアさんが最初に皮膚の異変に気付いたのは2010年、33歳の時で、左耳表面に小さな赤い点ができているのを見つけたという。しかしかかりつけ医には「いぼだから問題ない」と言われて5年が経ち、メラノーマ(悪性黒色腫)と診断がついた時にはステージ3まで進行していた。その頃には左耳から出血するようになり、黒いいぼ状の塊が耳の表面を覆っていた。
こうして2015年8月と11月の手術で、左の外耳、内耳、耳珠、リンパ腺、唾液腺、側頭が切除され、アンシアさんはその後30回超の放射線治療に耐えた。さらには左耳の聴力を失い味覚も消失し、耳鳴りに苦しんだり体のバランスがうまく取れないなどの後遺症に苦しんだ。
「左耳を失った後のアンシアは、自分のことをエイリアンか何かのように感じて苦しんでいた。それでも彼女は強い意志を持ち、前向きな姿勢を忘れなかった」と明かすステイさん。その後、家族とオーストラリアに旅行するなど楽しい時を過ごし、2020年にはメディアのインタビューで「日焼け用ベッドの全面禁止」を訴えていたアンシアさんだったが、2021年初めにがんは肺、脳、両胸、腸、脊椎にまで転移していることが判明した。
ステイさんは「医師に『がんは末期で、残された時間は数か月だろう』と言われてね。胸が張り裂ける思いだった」と当時を振り返り、このように続けた。
「転移が分かった後のアンシアは、自分の葬儀のための音楽を選び、私たち家族のためにビデオ日記をつけるなど気丈に振舞っていたよ。そして僕たちに『全ての日焼けサロンに、私の病気の耳の写真を貼って欲しい』と、最後の願いを託したんだ。タバコのパッケージに警告表示が書かれているようにね。」
なお闘病中、アンシアさんはメラノーマ患者や家族をサポートし、メラノーマについての関心を高めてもらう「メラノーマUK」の最高経営責任者ジル・ナトールさん(Gill Nuttall)との親交を深めていたそうで、ジルさんはアンシアさんについてこのように語った。
「アンシアはSNSを利用して、若者たちに自分の身に起きたことを伝えていたわ。手術後の写真などは痛々しかったけど、彼女はそれを恥じることなく見せていた。なぜなら『日焼け用ベッドの危険性について多くの人に知ってもらいたい』という強い意志を持っていたから…。」
「またプロム(卒業前のダンスパーティ)を控えた高校に行き、生徒たちに自分の経験を語ったこともあったわね。あの場にいた生徒たちはその後、日焼け用ベッドの使用を避け、日焼け用スプレーに切り替えたはずよ。」
「アンシアはメラノーマUKのアンバサダーであっただけでなく、私の良き友でもあったの。だから彼女がいなくなって寂しく思うわ。」
ちなみにイギリスでは2010年、18歳未満のサロンでの日焼け用ベッドの使用が禁止されたが全面禁止にはなっておらず、ステイさんは「こうして自分がメディアに話をすることで、日焼け用ベッドの危険性を伝えることができれば嬉しく思う」と述べている。
画像は『The Sun 2020年2月21日付「CRUEL COMMENTS Richard and Judy beg people to stop trolling sunbed obsessive who had an ear amputated after cancer battle」(Credit: Supplied)、2023年4月30日付「LAST WISH My wife loved having a tan - it made her feel healthy but it destroyed her, bit by bit」(Credit: Focus Features)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
「日焼け用ベッドを全面禁止にして欲しい。もしそれがすぐにできないのであれば、病気で黒く変色し出血した私の耳の写真を全ての日焼けサロンのドアに貼って欲しい。私や家族が苦しんできたことを、他の誰にも味わって欲しくないから…。」
そんな望みを家族に託したアンシア・スミスさんは、2021年8月8日に亡くなった。アンシアさんが日焼け用ベッドの使用を始めたのは14歳の時で、ビューティサロンの手伝いをする代わりにご褒美として週に2〜4回、30分ほど肌を焼いていたという。
アンシアさんが夫のステイさんと知り合ったのは18歳の時で、その後美容師兼ビューティセラピストとして働き始めたアンシアさんは、息子ハリーさん(Harry、23)とロビーさん(Robbie、21)が誕生後も日焼け用ベッドの使用を続けた。
ステイさんは当時のことを「アンシアは小麦色の肌が大好きでね。肌を焼くことで健康だと感じているようだった。でも日焼け用ベッドの使用は、彼女の体を少しずつ蝕んでいった。それを見ているのは本当につらかった」と明かす。
アンシアさんが最初に皮膚の異変に気付いたのは2010年、33歳の時で、左耳表面に小さな赤い点ができているのを見つけたという。しかしかかりつけ医には「いぼだから問題ない」と言われて5年が経ち、メラノーマ(悪性黒色腫)と診断がついた時にはステージ3まで進行していた。その頃には左耳から出血するようになり、黒いいぼ状の塊が耳の表面を覆っていた。
こうして2015年8月と11月の手術で、左の外耳、内耳、耳珠、リンパ腺、唾液腺、側頭が切除され、アンシアさんはその後30回超の放射線治療に耐えた。さらには左耳の聴力を失い味覚も消失し、耳鳴りに苦しんだり体のバランスがうまく取れないなどの後遺症に苦しんだ。
「左耳を失った後のアンシアは、自分のことをエイリアンか何かのように感じて苦しんでいた。それでも彼女は強い意志を持ち、前向きな姿勢を忘れなかった」と明かすステイさん。その後、家族とオーストラリアに旅行するなど楽しい時を過ごし、2020年にはメディアのインタビューで「日焼け用ベッドの全面禁止」を訴えていたアンシアさんだったが、2021年初めにがんは肺、脳、両胸、腸、脊椎にまで転移していることが判明した。
ステイさんは「医師に『がんは末期で、残された時間は数か月だろう』と言われてね。胸が張り裂ける思いだった」と当時を振り返り、このように続けた。
「転移が分かった後のアンシアは、自分の葬儀のための音楽を選び、私たち家族のためにビデオ日記をつけるなど気丈に振舞っていたよ。そして僕たちに『全ての日焼けサロンに、私の病気の耳の写真を貼って欲しい』と、最後の願いを託したんだ。タバコのパッケージに警告表示が書かれているようにね。」
なお闘病中、アンシアさんはメラノーマ患者や家族をサポートし、メラノーマについての関心を高めてもらう「メラノーマUK」の最高経営責任者ジル・ナトールさん(Gill Nuttall)との親交を深めていたそうで、ジルさんはアンシアさんについてこのように語った。
「アンシアはSNSを利用して、若者たちに自分の身に起きたことを伝えていたわ。手術後の写真などは痛々しかったけど、彼女はそれを恥じることなく見せていた。なぜなら『日焼け用ベッドの危険性について多くの人に知ってもらいたい』という強い意志を持っていたから…。」
「またプロム(卒業前のダンスパーティ)を控えた高校に行き、生徒たちに自分の経験を語ったこともあったわね。あの場にいた生徒たちはその後、日焼け用ベッドの使用を避け、日焼け用スプレーに切り替えたはずよ。」
「アンシアはメラノーマUKのアンバサダーであっただけでなく、私の良き友でもあったの。だから彼女がいなくなって寂しく思うわ。」
ちなみにイギリスでは2010年、18歳未満のサロンでの日焼け用ベッドの使用が禁止されたが全面禁止にはなっておらず、ステイさんは「こうして自分がメディアに話をすることで、日焼け用ベッドの危険性を伝えることができれば嬉しく思う」と述べている。
画像は『The Sun 2020年2月21日付「CRUEL COMMENTS Richard and Judy beg people to stop trolling sunbed obsessive who had an ear amputated after cancer battle」(Credit: Supplied)、2023年4月30日付「LAST WISH My wife loved having a tan - it made her feel healthy but it destroyed her, bit by bit」(Credit: Focus Features)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)