ジオテクノロジーズは4月21日、同社が保有するビッグデータとAI技術を組み合わせ、主要幹線や高速道路だけでなく、一般道も対象とした「AI渋滞予測モデル」の開発に成功したことを発表した。

AIモデルは、AI技術実装を支援するAVILEN社の支援のもと開発。深層学習モデル「GCN(Graph Convolutional Network:グラフ畳み込みニューラルネットワーク)」を採用し、複雑な一般道における地域性、道路構造、気象条件、時間帯などの条件を処理し5分単位で高精度な予測を実現するという。加えて事故などの突発的な渋滞が発生した場合も、解消後の車速の変化に追従し予測する。

「AI渋滞予測モデル」の検証内容(同社資料より)

東京都の一部範囲を対象に2023年1月19日から2023年1月31日の間、特定道路において15分後と60分後の車速予測精度の検証を行い、15分後で92%以上が誤差±20km/h以内、60分後で88%以上が誤差±20km/h以内という精度を確認、東京都の他の一部範囲での追加検証でも同様の結果を出している。

交通渋滞の損失は、年間1人当たり時間にして30時間、貨幣価値換算すると約12兆円もあるとされ、CO2排出量に関しても渋滞時は排出量が通常時の約2倍なるなど社会問題となっている。同社ではこれらの解決の一助として同モデルを開発、高速道路入口や踏切付近などの特殊な区間を考慮入れ更なる精度向上を図り、本年度中の製品化を目指す。