新たに羽田空港の4階にオープンする「サクララウンジ」。5階の既存スペースと合わせるとスペースは倍増する

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日本航空(JAL)が羽田空港の国際線ラウンジ「サクララウンジ」のスペースを2023年3月26日から倍増させる。当初は東京五輪を視野に20年夏のオープン予定だったが、コロナ禍で延期になっていた。

水際対策の緩和で乗客が増え、ラウンジも混雑が目立つようになるなかでの規模拡大で、春〜夏に向けての需要回復に備える。コロナ禍の3年で、食品ロス削減や食の多様性に配慮した新メニューが次々に登場。定番のビーフカレー以外の選択肢が大幅に増え、出発前の光景も様変わりしている。

「取り放題」形式は多くが姿を消す

JALは羽田空港第3ターミナルの114番ゲート近くの建物の5階部分で「サクララウンジ スカイビュー」(379席)を運営してきた。3月26日から、4階部分にも403席分のラウンジスペースがお目見えする。「伝統的で洗練された和の素材をスタイリッシュに表現した『モダンジャパニーズ』」がコンセプトで、窓が大きく、眺望を楽しめる開放感的な空間が特徴だ。

食事をするスペースも「コロナ前」とは様変わりだ。JALのラウンジでは、大ぶりにカットされた牛肉と、独特なスパイスの香りが特徴のビーフカレーが有名だ。従来はビュッフェ形式で提供されていたが、今では係員が皿に取り分けた形式で提供されている。洋食でいえばサラダ、和食は魚や明太子や魚も同様だ。かつての「取り放題」形式は多くが姿を消した。ビュッフェ形式では、一度提供した食材は2〜3時間で廃棄するルールがあり、食品ロスも多かった。ビュッフェ形式を減らすことは、コロナ対策以外に、食品ロスを減らす意味もある。

ファーストクラスでは完全養殖「近大生まれ」握り寿司

SDGs(持続可能な開発目標)を意識したメニューも増えた。廃棄される食材(ブロッコリーの茎や野菜の皮)を活用した「凸凹野菜スープ」、プラントベースの「ベジタブルチップサラダ」、ハラルメニューの「ベジタブルペンネ」などだ。

サクララウンジは、正規運賃でエコノミークラスを利用する乗客(韓国、グアム行きを除く)やプレミアムエコノミー以上を利用する乗客、「JALグローバルクラブ」といった上級会員などが利用できる。

さらに高級なファーストクラスラウンジでは、完全養殖で知られる「近大生まれ」の魚を使用した握り寿司や、大豆製のパテを使った「NIKUVEGE (ニクベジ)バーガー」が提供されている。今後、これまでは廃棄されていたバウムクーヘンの端部分を使用したデザートもお目見えする予定だ。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)